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『名探偵ピカチュウ』ライアン・レイノルズ、R指定アドリブをカットされていた ─ 自ら脚本の執筆にも関与

名探偵ピカチュウ
©2019 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved. ©2019 Pokémon.

『ポケットモンスター』初の実写映画『名探偵ピカチュウ』では、ライアン・レイノルズ演じる“見た目はカワイイけど、中身はおっさん”のピカチュウが喋りまくる。CGで描かれたキュートなピカチュウながら、セリフ回しはいつものライアン・レイノルズ…となれば、『デッドプール』からR指定の要素を抜いた雰囲気といってほぼ間違いない。

では、『名探偵ピカチュウ』のライアンはどこまで脚本通りにセリフをしゃべり、どれほどアドリブ演技を取り入れていたのか?

ライアン・レイノルズ、R指定アドリブをカットされる

MTV Internationalのインタビューにて、ライアンは『名探偵ピカチュウ』のセリフについて、説明ゼリフのいくつかを即興で演じたことを明らかにしている。しかしその場合、本人も「脚本に書かれている要素を喋らないといけませんから」と述べているように、あくまで自由度の高いアドリブではない。とはいえライアンは、本作の脚本にも自ら手を入れているようだ。

「大勢の人たちと同じく、僕も脚本に関わったんです。アドリブのように聞こえても、僕自身が書いた部分はありますよ。」

Comicbook.comにライアンが語ったところによると、『名探偵ピカチュウ』では、大勢のスタッフが脚本を回し読みし、それぞれに手を加えることで、「全員が望むように(脚本を)整えることができた」のだという。ライアンは「僕は指示に従う側なので」と言っているが、自らが喋るセリフには少し手を加えたということだろう。思えば、ライアンは『デッドプール2』(2018)で脚本にもクレジットされていたではないか。

しかし、真にライアンが真価を発揮したのは、ピカチュウの声と表情を収録するモーションキャプチャーの作業だったようだ。「楽しく演じさせてもらいました」と言いつつも、米Kotakuのインタビューでは、過酷なアドリブ収録作業が行われたことが明らかになっている。

「モーションキャプチャーは独特な作業で、たった一人で、アイデアが尽きるまでいろんなことをやり続けるんですよ。どれがふさわしくて、どれを映画に使いたいかを決めるのは別の誰かの仕事。ひとつのジョークを85パターンくらい演じたりするんです。クレイジーでしょう。」

むろん、ライアンは全年齢向けのジョークだけを放っていたわけではないようだ。「R指定からPGまで、いろんなパターンを喋りましたよ。編集室に行けば、きっとR指定版も作れると思います。絶対に彼らは作ってないでしょうから」

ちなみに本編では、ライアンによる“ピカチュウのセリフとしては攻めたジョーク”をいくつも堪能することができる。超人気ポケモンの初めての実写版としては、ずいぶん野心的な試みだといえないだろうか……。ライアンは「使われたジョークにも反対意見はあったんじゃないでしょうかね、知りませんけど」とコメントしている。

映画『名探偵ピカチュウ』は2019年5月3日(金・祝)より全国東宝系にて公開中

『名探偵ピカチュウ』公式サイト:https://meitantei-pikachu.jp/

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Sources: MTV, Kotaku, Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。