地下鉄の乗客の似顔絵で大ブレイク、デヴォン・ロドリゲス日本独占インタビュー ─ 「あなたの情熱を追い続けて」

「自分の好きなことをやり続けてください」
2020年のブレイクからたった数年で、デヴォンの人生は激変した。祖母と暮らすブロンクスの青年から、東京で数百人のファンに囲まれる有名人になった。次の目標はなんだろう?尋ねてみると、「今の状況だって、全く予想していないことでしたから……。次の目標は特にありません」と笑う。「今だって、じゅうぶんに恵まれている。なすがままです」。
しばらくは世界中を旅しながら、先々で出会った人や景色、文化をアートにしていくつもりだ。「ニューヨークで育つと、つい“アメリカが全て”だと考えがちです。アメリカ人の多くは、自分たちが世界の中心だと思っている。でも、僕は初めて海外に旅をした時、人生とは僕が考えていたものとは違うんだということに気づきました。人生はもっと大きいし、世界はもっと広い。だからもっと旅をして、世界中でアートを作りたいです」。

ブロンクスの人は、ほとんど街を出ることがないのだという。「抑圧や貧困、犯罪が多い街の構造のせいだと思います」。人生を変えたい、アートを追い続けたい。その情熱が、デヴォンを東京にまで導いた。「おばあちゃんにも言われました。おまえが日本にいるなんて、私は信じられないよって」。
デヴォン・ロドリゲス。1996年生まれ、27歳。何も持っていなかった少年は、世界で最も有名なアーティストの一人となった。「自分の好きなことをやり続けてください」と、デヴォンはTHE RIVERの読者に語る。
「信念を絶やさず、自分のやることを愛して、楽しんでください。あなたが情熱を注げることを、追いかけ続けてください。
僕がこんなにもたくさんの肖像画を描き続けられている理由は、絵を描くのがとにかく大好きだからです。もし好きじゃなかったら、他の人のやっていることを真似するだけで、一年もしないうちに飽きて、怠けていたと思います。
自分が何をやるべきなのかは、誰もあなたに教えてくれません。だから、自分が好きなものを追って、毎日やってください。競争も大変ですよ。競争にも食らいついて。あとは、ただ続けるだけです。」
