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米ディズニー、FOXサーチライト作品は今後もすべて劇場公開の方針 ─ ストリーミング時代に「100%支援する」

米ディズニーとフォックスの事業統合

ウォルト・ディズニー・カンパニーは、21世紀フォックスとの事業統合によって、20世紀フォックスとFOXサーチライト・ピクチャーズを傘下に収めた。通好みの優れた作品を発信しつづけるFOXサーチライトの作品を、今後もディズニーはすべて劇場公開していく方針だという。ウォルト・ディズニー・スタジオのアラン・ホーン会長が明かした。

The Hollywood Reporterは、ディズニーやワーナー・ブラザースをはじめとする大手スタジオとNetflix、Amazon Studiosの幹部が一堂に会する座談会を実施。時はスタジオ各社が独自のストリーミング・サービスを次々に開始する“大ストリーミング時代”だが、ディズニーは自社サービス「Disney+」の米国サービス開始を控える中で、FOXサーチライト作品については劇場公開を前提としていくようだ。

座談会の中で、ホーン会長は「我々にはまだFOXサーチライトがあります。[中略]彼らは、過去10年ほどのアカデミー賞で(作品賞を)4度勝ち取りました。私たちは彼らを全面的に支援します」と語っている。「非常に名高いフィルムメーカーや最高の俳優たちと、素晴らしい作品を作っていますしね」。これに対して、司会者が「すべての映画を公開するわけではないですよね?」と尋ねると、ホーン氏は「いや、公開すると思いますよ」と応じた。

ディズニーは21世紀フォックスとの事業統合後、同社の映画部門のひとつ「FOX 2000」を終了することを決定。FOX 2000では『ドリーム』(2016)や『きっと、星のせいじゃない。』(2014)、『プラダを着た悪魔』(2006)などが製作されていただけに、ディズニーがフォックスの中規模映画を今後どのように扱うのかという点には業界や映画ファンの注目が集まった。FOXサーチライト作品『ジョジョ・ラビット』(2020年1月17日公開)については、ディズニーの幹部が不快感を示したという報道もなされ、あわや介入かとも危惧されたが、これは出演者のスカーレット・ヨハンソンによってのちに否定されている

もちろん、ホーン氏が現在述べているように、実際にすべてのFOXサーチライト作品が劇場公開されるかどうかは分からない。とはいえ、少なくない作品が配信サービスへ移される現状で、ディズニーが劇場公開を重視する方針であることは心強いところ。日本国内でも多くの作品が引き続き劇場公開されていくことを願うばかりである。

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Source: THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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