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【ネタバレ】『デッドプール2』ポストクレジットシーン徹底解説 ― スタッフが語る制作秘話

デッドプール2
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

映画デッドプール2(2018)は、ネタバレ厳禁が謳われた『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)にも並ぶ「ネタバレ厳禁作品」だ。どこを語ってもネタバレになる…という類の作品ではないかもしれないが、事前に知ってはならない仕掛けが多数用意されている。今やヒーロー映画にはおなじみとなったポストクレジットシーンもそのひとつだろう。

本記事では『デッドプール2』のポストクレジットシーンを徹底解説するとともに、海外メディアで関係者によって語られた製作の舞台裏をあますところなくご紹介していく。きっとシーンの内容をさらに深く味わうことができるはずだ…!

注意

この記事には、映画『デッドプール2』の重大なネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

デッドプール2
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

デッドプール、怒涛のタイムトラベル

『デッドプール2』のポストクレジットシーンは本編のストーリーを破壊し、ヒーロー映画の歴史を書き換える。修復されたケーブルのタイムトラベル装置を用いて、デッドプールは本編の悲劇をことごとく未然に防ぐのだ。
映画前半で命を落としてしまったヴァネッサの死は未然に防がれ、ツァイトガイストに“酸性のゲロ”を吐きかけられて死亡するピーターも無事に生き延びる。さらに俺ちゃんは『ウルヴァリンX-MEN ZERO』(2009)の世界へ移動し、ウルヴァリンと対峙するデッドプール(通称「バラカプール」)を殺害したかと思いきや、『グリーン・ランタン』(2011)の脚本を読んで「大作に出られる」と満足げな俳優ライアン・レイノルズも銃殺してしまった……。

脚本家のレット・リース&ポール・ワーニックいわく、本作のポストクレジットシーンは脚本に存在せず、作品の追加撮影時にすべて撮られたものだという。初期の試写に一連の場面は含まれていなかったものの、作品に対する観客の評価は非常に高かったのだとか。
主演・脚本・製作のライアン・レイノルズが明かしたところによると、ポストクレジットシーンに「タイムトラベル」を提案したのはデヴィッド・リーチ監督。それまではピーターに焦点を当てた内容にすることが検討されていたようだが、その提案によって風向きが変わったという。

しかし映画全編を牽引するエネルギーを生んだヴァネッサの死をなかったことにしてしまう展開は、当然ながら脚本担当の3人には抵抗があったようだ。

ライアン:「ダメだ、ヴァネッサは生き返らせない!それはズルだ!」って。でもレットとポール、それから僕は、もしヴァネッサを甦らせるならピーターもそうしよう。バラカプールを殺そう、ライアン・レイノルズも殺そうと思いましたね。

レット:映画そのものを損なってしまうような破壊的なアイデアですよ。「観たものは忘れて! ヴァネッサは生き返ったし、ピーターも生き返ったよ」なんて。でも同時に、それこそ『デッドプール』らしいと思いましたね。

つまり本来のエンディングにおいて、ヴァネッサを生き返らせる予定はなかったのだ。しかしレット&ポールは、今やこのポストクレジットシーンは「カノン(正史)」だと明言している。コミックでは「コピーキャット」なるミュータントとして活躍するヴァネッサだが、二人は今後、彼女をコピーキャットとして登場させる可能性すら否定していない。
ともかく、ヴァネッサは死んでいないのである。その結末を聞かされた女優モリーナ・バッカリンは自身の生存を大喜びしたという。

ライアン・レイノルズ、怒涛の過去改変

デヴィッド監督によって提案された「タイムトラベル」のアイデアを、前述のように『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』や『グリーン・ランタン』まで膨らませたのはライアン本人だった。監督いわくライアンは「(バラカプールという)間違いを修正したがっていた」そうで、該当のシーンは20世紀フォックス社に残っていた『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の映像を探し出して作られたという。

ところがライアンは、この「バラカプール殺害」を実現するハードルの高さに頭を抱えたことを明かしている。

ライアン:『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の編集前の映像を手に入れるのにすごく時間がかかったんです。あの映画はデジタルじゃなくフィルムで撮られたので、入手するのが難しかったんですよ。しかも必要な映像はダメージを受けていたので、アメリカ中部のどこかにある倉庫からバックアップを持ってこなきゃいけなかった。ギリギリで本編に入れたんです。

もしも映像が手に入らないとしたら、どうやってバラカプールを登場させればいいのか……。ライアンは思い悩み、場合によってはウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンを説得して当時のシーンを再現することも少しは考えたそうだが、最終的に短い映像が見つかったことで最悪の事態は免れたという。

レット:ヒュー・ジャックマンはすごく協力的でした。(シーンの実現には)彼の許可が必要だったんですが、[中略]ライアンとヒューは本当に良い友人同士ですから。非常に協力してもらえたのは良かったですね。

ところでポストクレジットシーンが「カノン(正史)」だということは、少なくとも劇中の世界において、『グリーン・ランタン』を引き受けないままライアン・レイノルズは死んでしまったということに……?

レット:ライアン・レイノルズがライアン・レイノルズを殺すという以上にメタなジョークはないですよね。デッドプールがライアン・レイノルズを撃てば、彼自身も消えてしまうはずだとも言えるんですが…でも僕たちは、そこまでタイムトラベルのロジックに気を遣っていないので。

ポール:でも『デッドプール3』が作れるのかどうか、ライアンも疑問に思ってますよ。だって、もうライアンは存在しないわけですから。

なお『デッドプール2』のポストクレジットシーンには、残念ながら実現しなかったものの、クリス・エヴァンス演じる『ファンタスティック・フォー』(2005, 2007)のヒューマン・トーチがXフォースの面接にやってくる、さらにマイケル・B・ジョーダン演じるヒューマン・トーチらリブート版『ファンタスティック・フォー』(2015)のメンバーと共演するというアイデアがあったとか。
ちなみに本編で言及された「赤ん坊のヒトラーを殺しに行く」というアイデアは実際に撮影が行われたようだが、あまりに残虐すぎるとしてカットされたそう。

映画『デッドプール2』は2018年6月1日より全国の映画館にて公開中

『デッドプール2』公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/

Sources: CBR, Empire, IGN, THR, SR, Yahoo
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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