『デューン砂の惑星 PART2』サンドワームが真っ直ぐ進むのは「物理的にあり得ない」?科学者が鋭い指摘

『デューン砂の惑星 PART2』に登場する巨大生物サンドワームのとある描き方について、世界的に著名な天体物理学者、ニール・ドグラース・タイソンが異議を唱えている。言われてみれば……。
ニール・ドグラース・タイソンはこれまでに、書籍『ブラックホールで死んでみる――タイソン博士の説き語り宇宙論』などを通して宇宙の成り立ちを考察してきた人物。このたび大の『デューン』ファンとして知られるスティーヴン・コルベアが司会を務める米トーク番組に出演した。
プレミアイベントで『デューン砂の惑星 PART2』を鑑賞したというタイソンは、感想をコルベアから聞かれると「すごく壮観でした」と一言。一方、「いくつかの誤りもありましたね」と専門家の立場から気になった点もあるのだとか。
タイソンが指摘したのは、惑星アラキスに存在する砂虫、サンドワームをめぐる描写。劇中では、サンドワームを呼び寄せるためにサンパーという装置が使用されるが、タイソンいわく「砂に衝撃を与えることはできないでしょう」とのこと。「そんなことやっても、何も聞こえませんよ。なぜなら砂だからです。もし音から遮断されたいと思ったら、空間を砂で囲めば何も聞こえなくなりますよ」と根拠とともに説明している。
「もう一つあります」と続けるタイソンは、サンドワームの動きに着目。ジェスチャーを交えながら、「サンドワームは真っ直ぐ進んでいますけど、それは物理的にあり得ません」と話している。「真っ直ぐ前に進んでいる蛇を見たことがありますか?ないですよね!くねくねしながら進むじゃないですか」。
またサンドワーム以外にも、劇中に登場する巨大な飛行物体について、タイソンは「重力に逆らっているのに、なんで羽をつける必要があるのでしょうか?」と再び鋭い指摘。これにコルベアは、「もしかしたら、大きなものを運ぶのに必要なエネルギーが足りないから、コプターは少ない燃料電池で進まなければいけないのではないでしょうか?」と反論すると、それなりに説得力ある回答に会場からは歓声が湧き上がった。なおタイソンは、科学的根拠に沿っていたら「映画など存在していない」とも話しており、フィクションであることをしっかり心得てもいるようだ。
映画『デューン 砂の惑星PART2』は2024年3月15日(金)全国公開。
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Source:The Late Show with Stephen Colbert