『イージー・ライダー』リメイク決定 ─ アメリカン・ニューシネマの名作が現代に蘇る

アメリカン・ニューシネマの代表作『イージー・ライダー』(1969)がリメイクに向けて動き始めた。米Varietyが報じている。
オリジナルの『イージー・ライダー』では、ピーター・フォンダとデニス・ホッパー演じる反体制的な若者がドラッグで得た大金をオートバイのタンクに隠し、ニューオーリンズを目指す放浪の旅を描いた。ステッペンウルフによる「ワイルドでいこう!(BORN TO BE WILD)」をBGMに、激化するアメリカの風景と自由を求める若者の刹那的な衝動を描いたロードムービーは、当時世界中に多大な衝撃を与えた。
このオリジナル版でフォンダとホッパーはテリー・サザーンとともに脚本を、ホッパーは監督も務めカンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞。ジャック・ニコルソンも本作の出演を機にスターダムを駆け上がり、アカデミー賞助演男優賞にもノミネートされた。
この度報じられたリメイク版では、『シカゴ7裁判』(2020)でエグゼクティブプロデューサーを務めたモーリス・ファディダや、天然資源、医療技術などを展開するモナコの事業会社ジーン・ブール・グループらが協業し、権利を獲得した。プロデューサー陣は目下、オリジナルと同じスピリットを持って現代らしくアップデートしてくれる勇敢な脚本家と監督を探している最中だ。製作陣は本作について、『ロッキー』シリーズから新たに登場した『クリード』シリーズの野心に例えたという。
「オリジナルが残したカウンターカルチャーと自由の物語を踏まえながら、今日の若者が抱えるカウンターカルチャーと試練に対して真剣に注意を払った作品を残すことが私たちのゴールです」とファディダは語っている。「若い視聴者たちが日々の生活の中で体験していることは、上の世代にとっては奇異に見えるかもしれませんが、1960年代後半に生じた文化的な転換と同様に、社会的な規範たるものです。私たちもその転換の一助となれることを願っています」。
アメリカ国立フィルム登録簿にも登録され、映画史における重要性や評価を不変とする『イージー・ライダー』。オリジナルの公開から50年あまり経った今、どのようなアプローチにより現代らしい作品に昇華されていくのか、今後の行く先が非常に楽しみだ。
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Source:Variety