THE RIVER編集部 2020.6.10 8:00 News | Tv/Movie

デヴィッド・リンチの傑作『エレファント・マン』4K版、緊急公開決定 ─ 鑑賞料金1,100円均一にて

鬼才デヴィッド・リンチ監督による名作『エレファント・マン』（1980）が、本国公開から40周年を迎えるにあたり、監督自身の監修によるデジタルリマスター化され、『エレファント・マン 4K 修復版』として2020年7月10日（金）より全国“緊急”公開される。多くの映画館の営業再開を祝して、鑑賞料金は1,100円均一だ。このたび、予告編とポスタービジュアル＆場面写真も一挙到着している。

19世紀ロンドン。優秀な外科医トリーヴズ（アンソニー・ホプキンス）は、見世物小屋でエレファント・マンと呼ばれる青年メリック（ジョン・ハート）と出会う。極端に身体が変形したメリックの姿を目にしたトリーヴズは、衝撃を受け、彼を研究対象として病院で預かることに。最初は物も言えず怯えているメリックを、誰もが知能も低いと思っていたが、ある日、知性あふれる穏やかな性格であることが発覚。その後、新聞で取り上げられたメリックを舞台女優のケンドール夫人（アン・バンクロフト）をはじめ上層階級者が訪れるようになる。そんな中、トリーヴズは、自分がメリックの形を変えた見世物小屋の興行師と同じではないかと悩むが……。

「エレファント・マン」と呼ばれた実在の青年ジョゼフ・メリックの生涯と、彼を取り巻く人々の交流を描いた本作は、長編映画デビュー作『イレイザーヘッド』（1977）でカルト的な人気を獲得した新鋭デヴィッド・リンチの名を世界中に轟かせた。第53回米アカデミー賞では作品賞・主演男優賞・監督賞など主要8部門にノミネートされ、英国アカデミー賞では作品賞・主演男優賞・製作デザイン賞を受賞。米Time誌が選ぶ「カラー時代のモノクロ映画ベスト 10」では、『ベルリン・天使の詩』（1987）『シンドラーのリスト』（1993）などを抑えて堂々の1位を獲得している。なお、日本では1981年5月に公開され、国内外あわせた同年の全公開作品でNo.1の興行成績を記録し、社会現象とも言えるブームとなった。

公開された予告編では修正前・修正後の映像が比較できるほか、エレファント・マンとして見世物小屋に立つ青年ジョン・メリックに衝撃を受け、涙するトリーヴズ医師の姿や、好奇の目にさらされ民衆に追いかけられるメリックが「僕は動物じゃない、僕は人間なんだ」と訴える場面などが収められている。差別や偏見がいまだなくならない世の中で、まっすぐなメッセージが胸を打つ仕上がりだ。怪奇映画監督としても知られる撮影監督フレディ・フランシスによる、こだわりのモノクロ映像特有の光と影、19世紀末の退廃的なロンドンの風景は、4K修復で、より幻想的かつクリアになった。