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『リアル・スティール』でガツンとエナジーチャージ ─ 自粛疲れに効く、元気貰える映画を1日1本紹介

リアル・スティール
© Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

新型コロナウイルス感染拡大を受け、東京など7都道府県では緊急事態宣言が発令された。映画館は休業となり、日常生活も奪われてしまった。

THE RIVERでは、長く続く「自粛疲れ」に効く、編集部メンバーそれぞれがオススメする映画をご紹介。「明るく、元気が貰える」をテーマに、1日1本、4日連続でお届けする。自宅待機のお供に、ぜひ参考にして欲しい。

最終日は、編集長 中谷直登から『リアル・スティール』(2011)をご紹介。

『リアル・スティール』

鋼鉄ロボットボクシング映画『リアル・スティール』は2011年に日本公開された映画で、国内の配給はディズニー。ヒュー・ジャックマン主演ということもありご覧になった方も多いだろうが、実はまだ地上波放送されていないのだ。「意外と観ていなかった!」という方も、そう少なくないはずである。映画の世界観としては、『バンブルビー』×『パシフィック・リム』×『クリード』といったところ。

共演は『アントマン』シリーズでお馴染みのエヴァンジェリン・リリーや、『アベンジャーズ』ファルコン役のアンソニー・マッキー。ウルヴァリンとワスプとファルコンである。

監督はショーン・レヴィ。本作公開当時から、人気作『ナイト ミュージアム』シリーズの監督として知られていたが、今となっては「ストレンジャー・シングス 未知の世界」製作総指揮・監督の人物だ。

プロデューサー陣にはスティーヴン・スピルバーグロバート・ゼメキスという、少年少女の夢の配達人が参戦。そして音楽は、『バットマン』や『スパイダーマン』、『メン・イン・ブラック』など誰もが耳馴染みある名曲の数々を生み出したダニー・エルフマンである。このスキのない布陣、未見の方はそろそろこう思っているはずだ。「逆に何で今までこの映画を観ていなかったんだろう?」

映画の舞台は、今と同じく2020年。この世界では、人間のボクシングが廃れ、より過激な「ロボット格闘技」が人気を博している。ヒュー・ジャックマンが演じる主人公チャーリーは元プロボクサー。今ではロボット格闘技の試合にオンボロ機を出場させて、なんとか食いつなごうとする、カネも尊厳もない男だ。『グレイテスト・ショーマン』序盤のバーナムよりも、もっとみすぼらしい。ある日、元妻が亡くなったことで親権を放棄していた息子マックスを引き取ることになったが、ここでも息子をカネで売ろうとするクズっぷりを見せる。やがて、マックスの願いで共にロボット格闘技に挑むことになり、次第に2人の間に親子の絆が芽生えていく……。

自粛生活にお疲れのあなたに、オススメしたいポイントが3つ。まず1つ目は、舞台となるテキサスの広大な風景が楽しめること。チャーリーたちは試合会場に向かうのにトラックを運転して移動するのだが、その車窓からはカラリとした荒野の風景がどこまでも広がっている。哀愁感ある夕暮れ空と、ぼんやり滲む遊園地やスタジアムの灯り……。なかなか外出できない今、こんな風に映画の中で、どこか遠くの広い世界に旅をしよう。

2つ目は、やはりド迫力のロボットバトル。『パシフィック・リム』のように個性豊かなロボットたちが、『バンブルビー』よりやや人間大に近いサイズ感で繰り広げるボクシングシーンは爽快だ。日本の侍をモチーフにして、ボディに「極悪男子」と書かれた「ノイジーボーイ」、そびえ立つビル群のような双頭ロボットの「ツイン・シティーズ」、どこか『トランスフォーマー』メガトロンっぽさのある、容赦なき王者「ゼウス」……。そして、マックスがスクラップ置き場から持ち帰った相棒「ATOM」は、いかにもスピルバーグ的な、心優しい姿をしている。ロボットアニメとボクシング映画の興奮がひとつに重なる試合シーンでは、エミネムやLimp Bizkit、The Prodigyの楽曲たちがガンガンに盛り上げてくれる。大きい音でガッツリ楽しんで。

そして3つ目は、ヒュー・ジャックマン演じるチャーリーと息子マックスの感動的な親子ドラマ。かつてはプロボクサーとして名を馳せたチャーリーだが、今ではすっかり自信を失って、やさぐれている。そんな彼の元に現れた実の息子マックスは、ロボット格闘技を通じてチャーリーに活力を与えていく。負け犬親子と、スクラップされたロボットの、奇跡の逆転物語。クライマックスの大舞台でのチャーリーの姿に、きっと熱い涙が溢れるはずだ。

長く続く「自粛生活」で溜まったストレスを発散したいなら、『リアル・スティール』でガツンと一発。不屈の精神で何度でも立ち上がる彼らの闘いを見れば、また元気も湧いてくるだろう。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。