Menu
(0)

Search

『アベンジャーズ/エンドゲーム』監督、観客に「インターネット禁止令」発令へ ─ 前作の「ネタバレ禁止令」超える厳戒態勢

アベンジャーズ/エンドゲーム
MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータイメージ

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)は、その衝撃的な展開ゆえに、アンソニー&ジョー・ルッソ監督が劇場公開前に“ネタバレ禁止令”を公式に発表した異例の作品だった。つづく『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開が迫った2019年3月下旬、ふたたび監督たちは“ネタバレ禁止令”の発令を予定しているという。

Boxofficeのインタビューに登場したジョー監督は、「どこかのタイミングで、みなさん宛てに、インターネットから離れるようお願いする手紙を書きますよ」と語った。「今回はネタバレになってしまうことが前作よりも多いんです」

『インフィニティ・ウォー』公開時の手紙

「自分の身は自分で守って」

『アベンジャーズ/エンドゲーム』のルッソ監督は、観客に作品の内容を悟られぬよう、細心の注意を払って情報をコントロールするクリエイターだ。『インフィニティ・ウォー』の際には、そもそも本編に登場しようのない(物語的にありえない)シーンをわざわざ作り上げ、予告編に織り込んだほどである。ときに賛否両論ある手法の背景には、監督ふたりの特別な記憶があるという。

「11歳の時に『帝国の逆襲』(『スター・ウォーズ エピソード5』)を観に行きました。[中略]朝11時から夜10時まで映画館にいて、何度も何度も観ましたね。予告編を1~2回見ていましたが、それ以外には何が起こるのかをまったく知らなかった。情報が非常に限られていたので、あまりに衝撃的で、映画を観て感情が高ぶってしまいました。」

当時を振り返って、ジョー監督は「驚きたがっている子どもたちのため、僕らはあの感覚を再現しようとしているんです」と話す。「だから予告編の情報に制限を設けるし、内容も曖昧にする。観客は予想するのが本当に上手です。予告編のごく小さな手がかりが、映画を台無しにすることだってありえるんですよ」

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』© Marvel Studios 2018

『帝国の逆襲』が公開された1980年と、2010年代後半の違いは、映画にまつわる情報がインターネットで即時拡散されるようになったこと。フェイクの映像を予告編に取り込むのも、公開前から予想や推測が広がることへの対策なのかもしれない。ジョー監督は現在の状況について「すべてを即座に求める文化があって、その傾向はどんどん悪化しています」と語った。

「世界はソーシャルメディアで繋がっていて、情報は数秒で広がります。もし10年間の物語を追いかけてきたのなら、自分の身は自分で守ってほしい。まっさらな状態で観るのが一番です。僕は最初の週末に観るのをお薦めしますよ。映画が公開されれば、すべてがインターネットに載ってしまいますから。映画の秘密がお金になるのが、オンラインやメディアの文化。それは真っ当なことですし、同時に作り手が物語を守るのも真っ当なことです。」

ところでジョー監督が「最初の週末に」と強調することには、もうひとつの理由がある。マーベル・シネマティック・ユニバースにおけるひとつの到達点を、映画館で大勢の観客と一緒に味わうことを薦めているのだ。

「マーベルは、観客に刺激を与えるという最高の仕事を成し遂げました。最初の週末に映画を観に行くと、まるでロックのライブに来ているよう。家では味わえない活気と興奮、連帯感があります。人々が声援を送り、笑い、泣き、一緒にストーリーを追いかけている。たくさんの人々が、強い感情で結びついているんです。」

『エンドゲーム』という作品について、ジョー監督は「映画史において唯一無二の体験になります」と絶対の自信をにじませる。いわく、「みなさんは『インフィニティ・ウォー』のとき以上に、その体験を人に話したくなるでしょう」とのこと。これは監督の言うとおり、早々にインターネットを離れて、公開直後に劇場へ駆けつけるべきでは…!!

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)全国ロードショー

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

あわせて読みたい

Source: Boxoffice

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly