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『アベンジャーズ/エンドゲーム』スーパーボウル特別映像が公開 ─ 『インフィニティ・ウォー』後の世界、さらに謎深まる

https://www.youtube.com/watch?v=koyIwLy4OXE サムネイル

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の特別スポット映像が、2019年2月3日(現地時間)、米国最大のスポーツの祭典「第53回スーパーボウル」のテレビ中継にて公開された。
この映像は、すでに日本語字幕が付けられたものがウォルト・ディズニー・ジャパンの公式YouTubeチャンネル(ディズニー・スタジオ公式)にて配信されている。

この記事および映像には、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アントマン&ワスプ』のネタバレが含まれています。

「指パッチン」以降の世界

ワスプ、ニック・フューリー、スパイダーマン、ドクター・ストレンジ、ファルコン、スカーレット・ウィッチ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ブラックパンサー、バッキー・バーンズ、ヴィジョン。
消えていくマーベル・スタジオのロゴまでのわずか1秒間で、ヒーローたちのかつての姿が映し出される。モノクロに赤色が映える画面に登場するのは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)そして『アントマン&ワスプ』(2018)で消滅したヒーローたちだ。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のラストにおいて、サノスは6種類のインフィニティ・ストーンを手中に収め、指を鳴らして(=The Decimation)宇宙上の全生命を半減させた。このたび公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム』の特別映像には、初めて“その後”の世界の姿がありありと映し出されている。ビルの立ち並んだ街、自由の女神、シティ・フィールド(野球場)。自由の女神の足元には大量の船が流れ着き、打ち棄てられているのだ。シティ・フィールドの客席はからっぽで、その周囲には車が雑然と駐められている。

「私たちはどこへ行くのか、もう彼らは逝ってしまったのか(WHERE DO WE GO, NOW THAT THEY’ RE GONE)」。突如として人々が塵と消えてしまった惨事によって混乱する世界の様子は、ポスターに記された標語が象徴しているだろう。グループカウンセリングを思わせる集会が登場し、スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカが奥歯を噛み締める。

スティーブの言葉が聞こえる。「人々はもう諦めている、我々は違う(Some people move on. But not us.)」。この言葉をどう訳すかは、観る人によって意見が分かれるところかもしれない。「先に進んでしまった人たちもいる」が、スティーブたちはそうではないのだ。

前回の予告編ではわずかな資源とともに宇宙を彷徨っていたトニー・スターク/アイアンマンは、ネビュラとともになんらかの作業に着手している。アベンジャーズ本部の外では、ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ、ブルース・バナー/ハルク、ジェームズ・“ローディ”・ローズ/ウォーマシン、そしてスティーブの4人が空を見上げる。ロケット・ラクーンはどこかの小屋めいた場所に現れ、ナターシャが銃撃の訓練に勤しみ、スコット・ラング/アントマン&ウォーマシンはスーツに身を包み、ソーとクリント・バートン/ホークアイも姿を見せ、ついにスティーブが“おなじみの盾”を手にする……。夕陽の差し込むアベンジャーズ本部を、キャプテン・アメリカを筆頭にヒーローたちが歩いていく場面で映像は幕を閉じた。

今回の映像のポイントは、前回の予告編に登場しなかったウォーマシンとロケット・ラクーンがきちんと姿を見せているところであろう(冒頭、消えてしまったヒーローたちの中にロケットも混ざっているのはご愛嬌である)。しかしながら『インフィニティ・ウォー』と異なるのは、とにかく『エンドゲーム』の予告映像は本編の内容を予想させない、映像を見せるだけで何かを語ろうとしない構成となっていることだ。たとえば『インフィニティ・ウォー』の場合、アイアンマンとドクター・ストレンジのチームアップがお披露目となったのが、今回と同じくスーパーボウルでのスポット映像だった。しかし今回、そうしたお楽しみは限りなく抑制され、本編に登場する要素が散りばめられているばかりである。

「私たちはどこへ行くのか」。これは『エンドゲーム』を前に、いよいよ何を観ることになるのか想像すらできないファンの心境でもあろう。新映像が出るたび、まだ私たちは何も見ていないのだという思いに駆られるのは筆者だけではないはずだ。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)全国ロードショー

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。