コメディ映画か、恐怖映画か?!映画『帰ってきたヒトラー』レビュー

『帰ってきたヒトラー』評価・感想

ドイツでベストセラーとなった小説の映画化作品。
現代にタイムスリップしたアドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)は、変わり果てたドイツの現状に困惑する。
リストラされ再起のためのネタを探す映画監督志望のテレビマン ザヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)との出会いをキッカケに、その存在はヒトラーのソックリさんとして一躍有名になっていく。

この作品をコメディ映画と取るか 風刺映画と取るか 恐怖映画と取るか、きっと人それぞれだと思う。

だが、なんにせよ冒頭のシーンでぼくらはすでに洗脳されている。

初めてスクリーンに映し出されるその男は、タイムスリップをして現代に現れた男 ヒトラーの姿でもなければ 大量虐殺を行った残忍な男 ヒトラーの姿でもない。

ぼくらと同じ些細なことに悩む男 ヒトラーの姿であった。

その時点でぼくらは自然と彼を受け入れてしまう。

同じ人間なのだと。

ヒトラーに光と影があるとして、劇中では光の部分に多くスポットが当たっている。
そこのみを照らし続けているから、揺るぎない信念を持ち合わせた正しい人物にしか見えなくなってくる。

かつての彼がそうであったように、現代においてもそのカリスマ性を存分に発揮していく。

仮に今作のような現象が現実で起きていたらと思うとゾッとする。
劇中に出てくる民衆の反応は、きっと現実でも同様だ。
だからこそ危うい。

帰ってきたヒトラー

http://www.hollywoodreporter.com/review/look-whos-back-er-ist-851346

劇中においてヒトラーは 常に表立って行動していたからまだいいが、より綿密な計画を携えて社会の影で暗躍するようなことになっていたら あらゆることを転覆させるだけの力を持ち合わせていた。

渥美清さんなんかが現代にタイムスリップしてきたらと思うとワクワクしてたまらないが、ことヒトラーにおいて ぼくは恐怖を感じてしまう。

劇中で描かれていた光の部分
そこに確かな説得力が感じられたからこそ、それが影として発揮された時を想像すると恐怖しかない。

ただ笑えるだけの作品としても受け止められますが、その一歩先を想像できてしまうだけのシゲキが共に描かれていたように思います。

大罪人であるヒトラーの悪行を描く作品は数あれど、その光を描くことで彼の恐怖を感じさせる作品もめずらしい。

Eyecatch Image:http://www.bild.de/wa/ll/bild-de/unangemeldet-42925516.bild.html

3.6
総合評価:C

帰ってきたヒトラー

原題  ER IST WIEDER DA
製作年 2015年
製作国 ドイツ
配給 ギャガ
上映時間 116分

青春
4
2
エロ
2
サスペンス
6
ファンタジー
4

About the author

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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