人工知能と人類の未来とは?名作映画、そして『エクス・マキナ』『バイオハザード:ザ・ファイナル』から考える
『エクス・マキナ』は、この人工知能たちを友好的な存在というイメージでは描いていません。人間を殺しますし、裏切りますし、恐ろしい印象を私たちに植えつけます。しかし人工知能たちの彼女たちは、本当に“悪”なのでしょうか?
私たちは無意識に、“人工知能=ヤバいもの、敵にまわしたら怖いもの”という考えを持っていると思います。だからエヴァが主人公を見殺しにして外の世界へ脱出するのを観ると、「やっぱり人工知能が進化するとこんなに怖いんだ……」という感想(本当に怖いんですけれど)を持つわけです。しかし『エクス・マキナ』は、逆に“人工知能を差別せず、むしろ尊重して上手に共存していけばいいのでは?”という解釈もできる映画だと思うのです。
『バイオハザード:ザ・ファイナル』
そして『バイオハザード:ザ・ファイナル』です。本作の序盤で仰天したのは、これまで主人公アリスの仲間を殺し、苦しめてきた人工知能・レッドクイーンが、世界を救うための情報をアリスに提供していること! 敵であったはずの人工知能がラストには味方についている。物語の展開のため……とはいえ、このことは人間と人工知能の未来の何を意味しているのだろう? 思わず考えさせられました。
かつて、2009年の『ターミネーター4』では、マーカス・ライトは人間とマシンのハイブリッドとして描かれていました。『her』では人間と人工知能の恋模様が描かれ、『エクス・マキナ』では欲望や性といった人間らしい題材を人工知能を通して描かれています。そして『バイオハザード:ザ・ファイナル』でのレッドクイーンの存在は……。
これまでは“脅威”であり、人間を超えた“よく分からないけれど恐ろしいもの”として描かれていた人工知能が、近年の映画では“上手に共存していかなきゃいけない”存在として描かれている、そんなメッセージを映画が暗示しているように思えるのです。
果たして来年は、どんな人工知能を扱った映画が公開されるのでしょうか? そして、人間とはどのような関わり方をしているのでしょうか? 映画も、私たちを取り巻く生活の変化も、今から気になるところです。
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