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『ファンタビ』マッツ・ミケルセン、ダンブルドアとグリンデルバルドは「永遠に繋がっている」 ─ 日本・記者会見レポ前編

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密
© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved Wizarding World™ Publishing Rights © J.K. Rowling WIZARDING WORLD and all related characters and elements are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.

『ハリー・ポッター』魔法シリーズ最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』が、2022年4月8日より日本公開となる。

3月28日には都内で「ライトアップ・ファンナイト」が開催され、ニュート役のエディ・レッドメイン、ダンブルドア先生役のジュード・ロウらがオンラインでファンの前に登場していたが、このイベントの直後、キャスト陣一同とのバーチャル記者会見が開催されていた。

この記事では、ジュード・ロウ(ダンブルドア役)、マッツ・ミケルセン(グリンデルバルド役)、エディ・レッドメイン(ニュート役)、ジェシカ・ウィリアムズ(ユーラリー役)の4名グループで行われた会見の様子をお届けする。

『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』記者会見
ジュード・ロウ、マッツ・ミケルセン、エディ・レッドメイン、ジェシカ・ウィリアムズ

──ダンブルドア先生とグリンデルバルドは、かつて志を共にした親友でした。二人の関係についてのお考えを教えてください。また、お二人の共演シーンで印象に残っていることがあれば教えてください。

ジュード・ロウ:二人の関係はこの映画のストーリーの核になっていると思います。ここに描かれているのは、そこから解放され前進することが難しい友情であり、歳をとってから振り返った時におそらく愛情と後悔の両方を抱く友情です。なぜなら時が経つにつれ、若い時に近しく一緒にいた人とは違う道をたどり、変化してしまったから。その分断とつながりが描かれているんですよ。

僕にとって一番記憶にあるのは……あまりネタバレしたくないんだけど、マッツと僕にはクライマックス的な対立シーンがあって、何度もリハーサルをしなくてはいけなかったんですね。肉体的にかなりタフで、魔法の杖を使った戦いを違う次元に持っていこうと願っていました。このシーンのリハーサルをしたり、やり方を考えたり、撮影したりするのがとても楽しかったですよ。

マッツ・ミケルセン:その通りですね。付け加えると、あの二人は永遠に繋がっているんです。過去に何があったにせよ、彼らに永遠に付きまとう。

僕にとって一番思い出深いのは、映画の最初に彼らが出会うシーン。部屋中に敬意と愛情が溢れているんですが、同時に大きな失望感もある。彼らは若い時に世界をより良くしようという夢を共有していたけれど、そこに至るまでの方法は違っていた、とお互いに理解したんですね。

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──ジュードとマッツ、二人だけのシーンもありますが、共演してどうでしたか?

マッツ:よかったよ。

ジュード:よかったよね。

マッツ:これは魔法の世界で、僕たちはそこに入り込み、役を演じるわけですが、これはどの映画でも同じ。その二人が持っていた、あるいは今あるであろう関係を作り上げる。周りは魔法の世界だけど、それは当たり前として捉えて、ただ人間として存在しようとするんです。この場合は魔法使いとして、ですけどね。

ジュード:ラッキーだったのは、二人の過去について書かれたり、推測されたり、議論されたりしたものがたくさんあるということでした。それをもとに演じるというのは俳優としてやりがいがありますね。掘り当てる面がたくさんあるし、二人の関係はそこに全部出ている。だからシーンが少なかったとしても、入れ込むことはたくさんあるんです。

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──マッツさんは本作から、ジェシカさんも本格的な参加は本作からですが、他のキャストの方々と共演していかがでしたか?

ジェシカ・ウィリアムズ:良かったです!すごくワクワクしました。前作でちょっとだけ出演して、今回はずっと出演だから。最初は圧倒されて、興奮していました。大きな世界で機械がいっぱいあって、みんな大声で叫んでいて、俳優さんたちはみんな知り合い、というところにいきなり落とされた感じがしたから。でも撮影中ずっとみんな優しくて、よくしてくれたから楽しかったです。

私が一番心配したのは、朝ちゃんと起きられるかどうかってこと。私、すごく朝寝坊だから(笑)。それがずっと一番の恐怖でした。でもラッキーなことに、毎朝ちゃんと起きられた。夜の撮影のこともあったけど、私のシーンはダン・フォグラーとエディやカラムと一緒のことが多かったから、彼らはとても楽しくて、夜の撮影も楽しめました。いいことばかりで、悪いことはありませんでした。

マッツ:そう、まるである家族に入り込んで、自分を養子にしてくれますようにと願うような感じでした(笑)。みんな長年一緒にやってきていて、僕らはそこを訪れた、という感じ。

ジェシカ:うん、そうですね。

マッツ:みんな、とっても優しく受け入れてくれました。ラッキーだったのは、ゴッドファーザーとしてデイビッド(監督)がいたこと。彼は長年これをやっていて、どう家族を作り上げたらいいか、よくわかっていますからね。

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──この2年間、世界中色々大変だったわけですが、こうやって無事に魔法ワールドの一員としてスクリーン戻って来れたことをみなさんどう思われていますか?

エディ・レッドメイン:僕らにとって奇妙だったことの一つは、ものすごく厳しいプロトコルの中ではあったけれど、イギリスの映画界の立ち上がりがとても早かったことでした。この映画は製作を再開した最初の映画のうちの一本です。なので、世界中多くの国が厳しくロックダウンしている中、例えば僕の妻子は家にこもっていたけれど、僕らは仕事ができたのが奇妙でした。ある意味でラッキーなんだけど、僕らがノーマルな生活ができてるのが奇妙だったんですよね。

ワーナー・ブラザースがみんなが安全であるようにしっかりしたプロトコルを作って、安全確保に尽力してくれたことに脱帽しています。とても幸運だったと思います。

ジュード:まさにそうですね。

マッツ:プロトコルとかマスクとかルールとか、面倒ではあったけど、現実社会で失業してもう仕事に戻れない人たちと比べたら、そんなのなんでもないよね。僕たちは仕事ができるんだから、とてもありがたい立場にいるって思いました。

ジュード:僕らの仕事の奇妙な要素の一つは、現実逃避の世界に入り込むということです。仕事に行って、誰かの服を着て、違う世界に入り込む。この映画はその極端な例ですね。だって魔法の世界に入り込むんだから。魔法動物や魔法の杖、魔法的な能力があって。僕らの仕事の特質を強調しているけれど、特に今はそうだと思う。エディが言ってたけど、僕らは製作再開した最初の映画の一本だったし、マッツが言ったように、僕たちはなんて幸運なんだろうとはっきり理解させられました。

特に今日、そう実感しましたよ。さっきは上の階でリンクに繋いで、日本の魔法ファンとのイベントをした。数年ロンドンでのロックダウン生活の後、世界とつながるチャンスなんだと気付かされました。素晴らしい仕事だと思い出しました(訳註:俳優の仕事とは、という意味で)。また多くの人に愛され、祝福される素晴らしい世界の一員でいられてとても幸運だと思いますし、国際的にそれを共有できるのは、とてもエキサイティングなことです。

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──エディさん、ジェシカさんからみて、ダンブルドア先生とグリンデルバルドの関係はどう映りましたか?

ジェシカ:みんな悪い元カレとか元カノとかいるでしょう?それだなって思う。消えてくれって思うけど、人生を壊されてしまうんですよね。その元カノとか元カレとの関係を持った結果を年中思い返すわけ。

マッツ:それは君の視点だよね(笑)。

ジェシカ:だから私はこの映画を見て、「あーあ、ダンブルドアは面倒な元カレとの関係に悩まされてる」と思うわけ(笑)。私のキャラクターの敬意に満ちた、ゆるーい視点、私の視点を投影してるかもしれませんけど(笑)。ユーラリーは人の心を見抜ける人だと思うから、これはダンブルドアとグリンデルバルドの複雑な関係だと見えている。自分ができる限り、その関係をしっかり見届けたいと思っているんですよ。彼女はより大きな意味でいい解決を望んでいるし、ダンブルドアがより良い選択をすると深いところで信じているんです。

エディ:ニュートの興味深い特徴の一つとして、ダンブルドアに対して固有の愛情や兄弟のような関係を持っているってことがあると思うんです。だからニュートは詰問しないんです。ダンブルドアはニュートの教師であり師匠であり、深いつながりを感じている。ニュートはとても思いやりがあって、それは生き物に対しても人に対しても同じなんです。グリンデルバルドとの関係について過去に何があったか、などとダンブルドアに質問したりはしない人だと思う。でも、それによって彼がダメージを受けていることはしっかり見えているから、ダンブルドアの助けになりたいと思っているんです。

そこが僕がニュートが大好きな理由の一つです。とても思いやりがあって、いい人だと思う人を癒すために自分ができることは何でもしたいたいと思うけれど、問い詰めたり、過去について証拠を求めたりしないんです。

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──本作ではグリンデルバルドとダンブルドアの過去に踏み込みますが、役作りの上で『ハリー・ポッター』シリーズ、特に「死の秘宝」はご覧になりましたか?

マッツ:娘や息子がいるので、映画は封切り時に全部観ました。もちろん20回くらい見たかな(笑)。でもこの世界をどう作り上げるかという準備のためには『ファンタスティック・ビースト』シリーズを一番観ましたね。そして(監督の)デイビッドやジュードと、どう二人の関係にアプローチしたらいいかの話をしました。他の役作りとほぼ同じですね。

ただこの役は比較する対象がある、以前に演じていた人がいるから、それに対する敬意を表したかったんです。ジョニー(・デップ)がやった役と僕がやる役の橋渡しをしたいと思いました。同時に僕なりのキャラクターにしようと思ったんです。願わくば敬意と愛を持って成し遂げたと考えていました。

『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』は、2022年4月8日より日本公開。

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Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。