『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』スイングシーン、サム・ライミ版といかに差別化図ったか

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)には、スパイダーマンがニューヨークの街をスイングする嬉しいシーンがあった。シリーズ前作『ホームカミング』(2017)でもおあずけとあっていた、ファン待望の演出だ。
摩天楼をスイングするスパイダーマンはシリーズお馴染みとあって、過去の実写シリーズとその違いを見比べることもできるだろう。特にサム・ライミ版3部作では、テーマ曲と共に雄大にスイングする映像が象徴的だった。
『ファー・フロム・ホーム』では、より実写的なカメラワークを採用することで、ライミ版との差別化を図ったという。VFXスーパーバイザーのジュリアン・フォディが米Comicbook.comに語った。
ジュリアンは、「前の3部作でスパイダーマンがビル群をスイングするシーンのカメラの動きって、実はすごく変わってるんですよ」と語る。確かにライミ版は、スイングするスパイダーマンをカメラが縦横無尽に追っている。実写ではありえない動きだ。「僕たちは、もうちょっと現実的にしたかった。ショットとカメラを、現実的な動きとして設計したんです。」ギレルモ・デル・トロは『パシフィック・リム』(2013)で、映像をリアルな特撮風に見せるために現実的なカメラアングルに基づいてCGのロボットや怪獣を創ったというが、『ファー・フロム・ホーム』も似た哲学を尊重したということだろう。
スパイダーマンがMJを抱えて飛び立つシーンと着地のシーンは、トム・ホランドとゼンデイヤにワイヤーを取り付けてマンハッタンで実際に撮影されたもの。「2人はスタントを、ハーネスを装着して自分たちでこなしました。グランド・セントラル駅の外側にクレーンをセットして、2人を空中に巻き上げるんです。マディソン・スクエア・ガーデンでも同じことやって、今度は2人を地上に下ろす。」
ジュリアンは、「もちろん、彼らがビルの間をスイングするシーンはCGですよ」と説明する。「でも、実写の撮影とCGのミックスが良かったから、上手くいったんだと思います。全てが本物であるとハッキリ信じさせるような目の錯覚ですね。」
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Source:Comicbook.com,io9