ジム・ジャームッシュ新作にアダム・ドライバー、ケイト・ブランシェットら豪華キャスト集結 ─ 離れた親子を描く3部構成のコメディ

米インディペンデント映画の巨匠、ジム・ジャームッシュの新作映画『Father Mother Sister Brother(原題)』に、『スター・ウォーズ』続3部作のカイロ・レン役アダム・ドライバーや『ベンジャミン・バトン』(2008)や『TAR/ター』(2022)などの名優ケイト・ブランシェットら豪華キャストが集結することが分かった。米Varietyが報じている。
異なる国を舞台に、独立したストーリーを3部構成で描く『Father Mother Sister Brother』は、それぞれ成人した子どもと、ちょっと距離のある両親との関係を綴っていく。第1部「Father」はアメリカ北東部の東海岸、第2部「Mother」はアイルランド・ダブリン、第3部「Sister Brother」はフランス・パリが舞台となる。アイルランド、アメリカに続き、フランスでの撮影が先ごろ完了したところで、2024年後半に製作完了見込みとのこと。
ドライバー、ブランシェットの他キャストに、1990年に人気を博したシットコム「ブロッサム」で主人公ブロッサムを演じたメイム・ビアリク、シンガーソングライターにして、『ダウン・バイ・ロー』(1986)『デッド・ドント・ダイ』(2019)などジャームッシュ作品の常連であるトム・ウェイツ、『DUNE/デューン 砂の惑星』シリーズなどのレジェンド俳優シャーロット・ランプリング、『アクアマン/失われた王国』(2023)のインディア・ムーア、モデルとしても活躍するルカ・サバトらバラエティ豊かで個性あふれる面々が集っている。
ジャームッシュのキャリアにおいて、最も私的な作品の1つとなるであろう『Father Mother Sister Brother』は、「哀愁の糸が織り交ざったコメディ」であり、「静かで、観察的で、そして断定的でない人物研究」とのこと。人生の悲喜こもごもをローファイかつオフビートに捉えてきたジャームッシュの十八番路線となるだろうことが予想される。また、ウェイツもラジオDJの声で出演している『ミステリー・トレイン』(1989)や、今もなお後進に絶大な影響を与えている『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991)、ブランシェットが一人二役を演じた『コーヒー&シガレッツ』(2003)などオムニバス形式もジャームッシュが得意とするスタイル。音楽的要素も強い作品になるとジャームッシュ本人が言及している。

『パターソン』(2016)『デッド・ドント・ダイ』以来のジャームッシュ作品となるドライバーは、フランシス・フォード・コッポラ監督最新作『メガロポリス』がカンヌ国際映画祭期間でプレミア上映され、賛否両論ながらも7分強のスタンディングオベーションが起こったそう。2024年7月に日本公開を迎えるマイケル・マン監督『フェラーリ』含め、重厚な作品が続いたところで、コメディ作品が見られるのも嬉しい知らせ。今後のアップデートが楽しみに待たれる。
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Source:Variety