ダース・ベイダーとAI対話できる「フォートナイト」新機能めぐり全米俳優組合が不当申し立て

「忘れられない日になるだろう: フォートナイトでダース・ベイダーと話そう」。人気オンラインゲームの「フォートナイト」が、AI技術を用いて『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーと会話ができる新機能を発表した。この試みに対して、SAG-AFTRA(全米映画俳優組合)が労働上の懸念を示している。
この新機能は、「ギャラクティック・バトル」シーズンの一環として導入されたもの。ゲーム内でプレイヤーがダース・ベイダーを倒すと、仲間としてチームに迎え入れることができ、音声チャットによる対話が可能となる。応答にはAIが使用されており、プレイヤーの音声入力に応じてリアルタイムでベイダー卿が返答してくれる仕組みだ。
注目すべきは、AI音声に映画シリーズでおなじみのジェームズ・アール・ジョーンズの声が使われていること。2024年9月に逝去したジョーンズは、生前に自身のアーカイブ音声のAI活用に同意しており、今回のプロジェクトにも遺族が協力。「今回のフォートナイトとのコラボレーションにより、ダース・ベイダーの長年のファンだけでなく、新しい世代の方々にも、この象徴的なキャラクターの魅力を楽しんで頂けることを願っています」と発表に寄せている。
一方で、SAG-AFTRAはこの機能の導入について声明を発表。AI技術そのものは否定しない姿勢を見せつつも、「かつてビデオゲームでダース・ベイダーの象徴的な声やトーンを再現してきた会員の仕事が、交渉や通知もなくAIに置き換えられた」として、開発元のEpic Games子会社Llama Productionsを非難。国家労働関係委員会(NLRB)に不当労働行為の申し立てを行ったと明かした。
今回の争点は、ジョーンズの声そのものをAIで再現したことではない。問題視されているのは、ダース・ベイダーのようなキャラクターの声を「再現」する作業に、これまで携わっていた技術者の労働が、適切な手続きを経ずにAIで代替された点にある。
SAG-AFTRAは、2023年の大規模ストライキにおいてもAI利用を巡る労働条件を主要な争点としてきた。今後、AIと人間の仕事の共存をどう実現していくのか。ダース・ベイダーが新たな論争を呼び込んでいる。
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