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【インタビュー】ヒュー・ジャックマンが解説する『フロントランナー』 ─ 「この映画は答えを与えない」何が重要なのか分からない世の中へ

フロントランナー ヒュー・ジャックマン

彼は、政治的危機の到来を予期しています。その後、アメリカは第一原理に振り戻されるだろう、ということです。

ある時、僕が”アメリカは民主主義で…”と話し始めようとしたら、”ストップ”と止められました(笑)。彼が言うには、”民主主義なんかじゃない”と。”国家体制は民主主義だが、アメリカは共和国だ。みんなそれを忘れている“、と。

そして、世の中は2つの要素の上に成り立っている、と言うんです。”市民の責任“と”教育“です。ゲイリーが言うには、ある時に政治的危機がやってくると。そこで、誰もがジョン・F・ケネディの主張に振り戻されると言うのです。つまり、”国家があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何ができるかを問うてほしい”ですね。ゲイリーは、政治危機を抜けて、”誰か”が我々を市民の責任の第一原理に振り戻す時を待っているんです。

フロントランナー

フロントランナー』は、2019年2月1日(金)日本公開。ちなみに米国では2018年11月6日(火)、アメリカの中間選挙当日に公開となっていた。本国での反応はどうだったのかと尋ねられると、「そんなに大勢の人に観てもらえたわけではないのですが…。」

「興味深いのは、あるレビューにこんなことが書いてあったんです。”今作は良い映画ではあるものの、今の世の中に役に立たない”って。そんなレビュー、おかしいですよね。映画製作が政界の世直しをしてくれると思われているわけです。このレビュワーは、映画に世直しを求めているんですね。でも今作は、そういうストーリーじゃないと思うんです。ジェイソン・ライトマン監督には全く同意です、“我々は答えのない物語を伝えるんだ”と。この映画は、今日の世界に問いをぶつけておりますが、その答えは分かりません。

この物語は、議論を起こし、触発し、再び問題を提起するためのものです。状況を理解してもらうための作品であり、答えを与えてくれるものではありません。この映画をご覧になって、日本の皆さんがどういうことを考えられるのか、すごく興味があります。」

フロントランナー
The Front Runner

密なインタビューを終えての去り際、彼の親友であるライアン・レイノルズについて尋ねてみた。デッドプール役で知られるライアンは映画『X-MEN』シリーズでヒュー演じるウルヴァリンとの共演を熱望しており、事あるごとに一方的に絡み続けている。「ライアンはこの映画に何か言っていました?」ヒューは面白がって「ライアン・レイノルズは”これはヒュー・ジャックマン史上最高傑作だ!”って言ってましたよ!お世辞かなって思うけど、でもすごく嬉しいです」と笑ってくれたのだった。

ヒューが熱弁をふるう記者会見レポート
日本のファンに大サービスした舞台挨拶レポート

『フロントランナー』公式サイト:http://www.frontrunner-movie.jp/

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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