【ハリウッド版攻殻機動隊】映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』のティーザー予告から得る不安と期待
スカーレット・ヨハンソン主演、日本の漫画を原作とした同名のアニメ映画『攻殻機動隊/The Ghost in the Shell』原作のハリウッド映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』のティーザー予告編が公開されました。
まずは、着物を着た女性型ロボットが廊下を歩くシーン。 続いて、スカヨハ演じる主人公がプラグを後頭部から抜くところ。 そして、謎の女性とスカヨハがふれあい、女性が「あなたは何者?」と問いかけます。 つぎは、スカヨハ以外の主要キャストで我らが北野武が荒巻役で登場し、銃を撃つ。 最後に、スカヨハは捜査の潜入先で、何十人もの坊主頭の人たちがプラグにつながれている人々を目撃。謎の声で「これはまだ始まりに過ぎない」とナレーションされ、これで今回公開された分は終わります。
ティーザー予告から読み取れること
まず最初の着物の女性について。これは和のテイストを出そうとしているのが分かりますが、日本人の皆さんは見て分かる通り、ハリウッドによるちょっと誤解されたジャパンを感じます。 そして、スカヨハの演じる役については、草薙素子をベースにしたキャラクターになるそうで、正確には草薙ではないそうです。
しかし、このビジュアルを見る限り、スカヨハが草薙素子のコスプレをしているように見えます。 謎の女性との会話については、アニメでも草薙はほとんど電脳化が進んでいる人物であることから、スカヨハもその設定を踏襲していると考えれば、この会話は、おそらく生身の人間の女性が「ゴーストのささやき」以外に人間味のないスカヨハに「あなたは何者?」と問いかけているものと予想できます。または、逆にフルでAIのロボットの女性が、ほとんどロボットの彼女にそう問いかけているとも考えられます。
今回公開になった最初の日本人キャスト、北野武は、彼の監督作『アウトレイジ』などのイメージに近いかなり威圧感のあるキャラクターに見えます。そして彼の存在感もとても大きく感じられます。 アニメで荒巻がこんな感じのキャラクターだった記憶はありませんが、アメリカナイズされた脚本のもとでも北野武の演技で彼は注目するべきキャラクターになるでしょう。
また筆者の希望としては、北野武の英語力は知りませんが、彼は日本語で演技をしてほしいです。 話者が自分の言語で話し、聴き手はそれをそのまま理解できる、というような翻訳ソフトが電脳の中にインストールされているべきです。
こうすればハリウッドキャストが不自然な日本語を話す必要がなく、また日本人キャストが拙い英語を話す必要がなくなります。 最後の、プラグにつながれた坊主頭たちは、何かはわかりませんが、今作の中心ストーリーになる事件の一部であることは確実といえるでしょう。
皆さんはどう思いますか?
日本が誇るハードコアなSFが世界に向けてハリウッドを通して広がっていくのは、嬉しいことですが、原作通りではなくかなり大きな改変が加えられているという不安要素もあります。 アメリカナイズされた日本のカルチャーで大失敗を喫した、『ドラゴンボール レボリューション』を思い出すともっと不安になります。 しかし逆輸入っぽくはありますが、同じよう日本とアメリカのいいとこどりをした『ベイマックス』はかなりの人が楽しんだのではないでしょうか。これでハリウッド版の『攻殻機動隊』に希望を持つこともできます。
あとは蛇足ですが、もしスカヨハ版が失敗してリブートを作るときには、今度こそ、主役を草薙素子に戻し、主演女優も日本人女優、または少なくともアジア系女優にしてもらいたいですね。 筆者の希望では、ハリウッドで活躍する若い日本人女優でドラマ『ヒーローズ リボーン』の祐真キキまたは、ハリウッドの韓国系女優で『エンジェルウォーズ』などのジェイミー・チャンが草薙役になってほしいと思っております。
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