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『ゴーストバスターズ』徹底解説 ─ あらすじ、小ネタからキャスト情報まで完全ガイド

ゴーストバスターズ
© 1984 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

おじさん4人が突如としてニューヨークの街に現れたゴーストたちを全力で退治していく痛快超常現象コメディ『ゴーストバスターズ』。今やレジェンドとなったビル・マーレイやダン・エイクロイドらコメディ俳優たちを主演に迎え、ファッションや音楽、ガジェットに至るまで多岐にわたるジャンルに影響を与えた、80年代ポップカルチャーを代表する映画だ。

本日2022年2月4日からは、シリーズ33年ぶりの正統なる続編『ゴーストバスターズ/アフターライフ』が公開。次世代の若手キャストが現代に『ゴーストバスターズ』旋風を蘇らせる。

本記事では、新作に向けた復習も兼ねて、第1作『ゴーストバスターズ』を徹底解説。あらすじから主要キャスト、小ネタ、吹き替え声優まで、必要最低限の情報をぎゅぎゅっと詰め込んだ。往年のファンの方々は、当時の熱狂にタイムスリップしてみては。

『ゴーストバスターズ』予告編

『ゴーストバスターズ』あらすじ

米ニューヨーク・コロンビア大学で、霊体・超常現象を専門とした研究職に就いていた3人の博士、ピーター・ベンクマン(ビル・マーレイ)、レイモンド・スタンツ(ダン・エイクロイド)、イゴン・スペングラー(ハロルド・レイミス)。ある日、3人は大学の図書館でゴーストの発見に成功する。胸を弾ませながら研究に熱を注こうとした矢先、理事会からそれまでの研究の実用性を疑われ、資金を打ち切られてしまう。大学を自ら“追放”されにいった3人は、銀行からの融資に頼り、ゴースト退治を専門とする業者「ゴーストバスターズ」を設立。オフィスを構え、秘書を雇い、新たなスタートを切るのだった。

開業するや、会社の成長をグンと後押しするかのように街では次々とゴーストが出現。ゴーストたちを一網打尽にかかる3人はマスコミからも注目されるようになる。その多忙ぶりから人手不足に陥ったゴーストバスターズは、がっちり肉体派の男ウィンストン・ゼドモア(アーニー・ハドソン)を新入社員に迎え入れ、活動に拍車をかけていく。

そんな彼らの活動に疑いの目を向けるようになったのが、ニューヨーク市の環境保護局局長ウォルター・ペック(ウィリアム・アザートン)。絶好調のゴーストバスターズに目を光らせ、しまいには営業停止命令を言い渡す。その頃、街には謎の超巨大な霊的エネルギーが立ち込めており、ゴーザという名の破壊神が人類を乗っ取ろうとしていた。ある時、ゴーストバスターズ最初の依頼者となった女性ディナ・バレット(シガニー・ウィーバー)に、門の神ズールが憑依してしまい……。

『ゴーストバスターズ』小ネタ解説

1.誕生のきっかけ

本作の原案・脚本を務めたのは、メインキャストでもあるダン・エイクロイドとハロルド・レイミス。誕生のきっかけは1980年代初頭、エイクロイドが旧友でありすでに仕事を共にしていたアイヴァン・ライトマン監督に一本の電話をかけたことだった。『A History of Ghosts』という書籍を出版した父親の影響もあり、超常現象を強く信じていたエイクロイドは、およそ70ページに渡る草稿を用意して、ライトマン監督に相談したという。この時点でストーリーは“未来の外宇宙”で繰り広げられるものだったが、ライトマン監督が舞台を“現代のニューヨーク”に変更することを要求し、契約したことが全ての始まりとなった。(詳しくはこちらを参照)

2.『ブルース・ブラザーズ』コンビの再タッグ作になるはずだった

原案・脚本のダン・エイクロイドは、1980年の映画『ブルース・ブラザーズ』で絶大な人気を獲得していた。ライトマン監督にアイデアを持ち込んだ時点で、主演はエイクロイド自身と、『ブルース・ブラザーズ』で抜群の相性を発揮したジョン・ベルーシで考えていた。企画もそのまま進行していたが、1982年にベルーシがオーバードーズで急死。これにより、キャストの再検討が行われた。なお、エイクロイドは亡き友人へのトリビュートとして、「スライマー」のボディデザインをベルーシの身体を元に作ったのだそうだ。

3.ディナ役には当初、ジュリア・ロバーツが検討されていた

門の神ズールに憑依されてしまう演奏家の女性ディナ・バレットを演じたのは、『エイリアン』(1979)で知名度を上げていたシガニー・ウィーバー。しかし、同役に最初に検討されていた俳優の1人には、当時まだスクリーンデビューも飾っていなかったジュリア・ロバーツがいたという。以前ライトマン監督は、オーディションを受けに来た10代のロバーツについてこう振り返っていた。「彼女は一際目立っていました。キャスティングディレクターにこう言ったのを覚えています。“彼女はビッグスターになるぞ”って」。

4.ウィンストン役はエディ・マーフィーの為に書かれていた

アーニー・ハドソンが演じた、ゴーストバスターズ後から入社組のウィンストン・ゼドモア。原案・脚本のダン・エイクロイドは当初、この役に「サタデー・ナイト・ライブ」(1975-)で人気を博していたエディ・マーフィーを見据えていた。2016年、これについて言及したアイヴァン・ライトマン監督は、「噂は聞きました」としながら「そのことについて(エイクロイドと)話したことがないから分からないんです」と回顧。マーフィーに対して実際にオファーをしていたのかなど、謎は多い。ちなみにマーフィーは『ゴーストバスターズ』と同年公開の『ビバリーヒルズ・コップ』で時の人となった。

5.アイヴァン・ライトマン監督のカメオ出演

シガニー・ウィーバー演じるディナに憑依してしまう“門の神”ズールの声を演じたのは、ライトマン監督本人。本編を観ると、ズールの声にはエフェクトがかけられており、監督の声を知っていたとしても認知はできない。ちなみに、ライトマン監督は最新作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』にもカメオ出演しているとか……?

Source:THR,Vanity Fair

『ゴーストバスターズ』主な出演者・キャスト

ビル・マーレイ(ピーター・ベンクマン博士役)

ビル・マーレイ
Photo by Nathan Congleton https://www.flickr.com/photos/nathancongleton/40627600814 | Remixed by THE RIVER

1950年、米シカゴ出身。9人兄弟の大家族に生まれる。兄の勧めにより即興劇団「セカンド・シティ」に入団。同劇団に所属していたジョン・ベルーシの紹介で、「サタデー・ナイト・ライブ」に出演し始める。同じ頃、役者としての活動にも本腰を入れるようになり、『オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ』(1978)『アメリカ発 珍作映画情報』(1980)などに出演。『ゴーストバスターズ』で再会することになるアイヴァン・ライトマン監督の映画『ミートボール』(1979)『パラダイス・アーミー』(1981)で主演を務めた。『ゴーストバスターズ』以降、『ゴーストバスターズ2』(1989)『恋はデジャ・ヴ』(1993)『スペース・ジャム』(1996)『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)などに出演し、コメディ俳優としての地位を築き上げる。またソフィア・コッポラ監督やウェス・アンダーソン監督作品の常連キャストとしても知られている。次回作に『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア』(2023年7月米公開予定)を控える。

ダン・エイクロイド(レイモンド・スタンツ博士役)

Dan Aykroid ダン・エイクロイド
Photo by Rnunezart https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nunez_and_Dan_Aykroyd,_February_2009.jpg

1952年、カナダ・オタワ出身。「サタデーナイト・ライブ」のオリジナルメンバーとして出演し一躍人気者となる。同番組での活躍から映画『ブルース・ブラザース』(1980)の主演につながり、俳優としても知名度を上げていく。その後はコメディアン、俳優として継続的に活動。『ゴーストバスターズ』(1984)『ゴーストバスターズ2』(1989)ではレイモンド・スタンツ博士役として出演および脚本を手掛けた。『ドライビング Miss デイジー』(1989)ではアカデミー賞助演男優賞のノミネート入りを果たしている。2000年代に入っても俳優活動を継続しており、『50回目のファースト・キス』(2004)や『俺たちスーパー・ポリティシャン めざせ下院議員!』(2012)『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』(2014)などに出演してきた。

ハロルド・レイミス(イゴン・スペングラー博士役)

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1944年、ビル・マーレイと同じく米シカゴ出身。ワシントン大学・セントルイス校を卒業後、1973年に脚本家としてキャリアをスタート。ジョン・ベルーシ主演の『アニマル・ハウス』で脚本を務め、1980年にはビル・マーレイ出演の『ボールズ・ボールズ』で監督デビューを果たす。『ゴーストバスターズ』で脚本・出演を務めたことで一躍有名に。『ゴーストバスターズ2』を経たのちに、『恋はデジャ・ブ』で脚本・監督・制作を兼任し、再び成功を掴む。以降も、脚本家・俳優・監督としてマルチな活躍を見せた。2014年、69歳没。

アーニー・ハドソン(ウィンストン・ゼドモア役)

アーニー・ハドソン
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/38386490301/

1945年、米ミシガン州出身。高校卒業後にアメリカ海兵隊へ入隊。短い活動期間の後、舞台向けの脚本家に転身。演技を学びに大学へ進学する。1976年、『Leadbelly(原題)』で長編映画デビュー。以降、『メーン・イベント』(1979)『ジャズ・シンガー』(1980)『セカンド・チャンス』(1983)といった映画に出演し、1984年に『ゴーストバスターズ』で世界的な知名度を獲得する。その後も『ゴーストバスターズ2』をはじめ、『デンジャラス・ビューティー2』(2005)『サヨナラの代わりに』(2014)など出演作多数。ドラマでも「デスパレートな妻たち」(2004-2012)や「ワンス・アポン・ア・タイム」(2011-2018)「ARROW/アロー」(2012-2020)といった作品でエピソード出演をしている。2016年には、『ゴーストバスターズ』でカメオ出演を果たした。

シガニー・ウィーバー(ディナ・バレット役)

Sigourney Weaver シガニー・ウィーバー
Photo by Gage Skidmore https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Sigourney_Weaver_by_Gage_Skidmore_2.jpg

1949年、米ニューヨーク出身。TVプロデューサーの父親、女優の母親のもと育ち、名門イェール大学で演技を学ぶ。1970年、ドラマ「Somerset(原題)」(1970-1976)で役者デビュー。翌1977年にはウディ・アレン『アニー・ホール』でスクリーンデビューを飾り、1978年の映画『エイリアン』で主演エレン・リプリー役に抜擢される。以降、『エイリアン』『ゴーストバスターズ』シリーズで人気を獲得していきながら、1988年の『愛は霧のかなたに』『ワーキング・ガール』でゴールデングローブ賞ダブル受賞を果たし、1997年には『アイス・ストーム』で英国アカデミー賞助演女優賞を受賞。実力も認められるようになる。ほか主な出演作に『バンテージ・ポイント』(2008)『アバター』(2009)「Marvel ザ・ディフェンダーズ」(2017)など。2016年には『ゴーストバスターズ』でカメオ出演を果たした。最新作に『アバター』続編シリーズやマーガレット・クアリー共演の映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』(2022年5月6日公開)を控える。

リック・モラニス(ルイス・タリー役)

リック・モラニス Rick Moranis
Photo by Alan Light https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rick_Moranis_(2106603470).jpg

1953年、カナダ・トロント出身。70年代よりディスクジョッキーとしての活動をスタートさせた後、コメディアンを志すようになる。ビル・マーレイやジョン・ベルーシも所属した即興劇団「セカンド・シティ」の制作番組に出演するようになり、1983年に「サタデー・ナイト・ライブ」デビュー。映画俳優としては、1984年に『ストリート・オブ・ファイヤー』と『ゴーストバスターズ』に出演し、知名度を上げる。その後も『ミクロキッズ』シリーズなどで注目を浴びるも、1997年の『ミクロキッズ3』以降は実写作品への出演が見られなくなる。2000年代に入ってからは、『ブラザー・ベア』シリーズといったアニメ作品に参加している。

アニー・ポッツ(ジャニーン・メルニッツ役)

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1952年、米テネシー州ナッシュビル出身。大学で演技を学んだ後、1978年にマーク・ハミルが出演するコメディ『コルヴェット・サマー』で劇場映画デビューを飾る。『ゴーストバスターズ』のジャニーン役で一躍有名に。「浮気なおしゃれミディ」(1986-1993)や「Dangerous Minds(原題)」(1996-1997)など、ドラマ作品にも精力的に出演する。また、『トイ・ストーリー』シリーズのボー・ピープ役の声でもおなじみ。2016年には『ゴーストバスターズ』でカメオ出演を果たした。

ウィリアム・アザートン(ウォルター・ペック役)

William Atherton ウィリアム・アザートン
Photo by Ilya Haykinsonhttps://commons.wikimedia.org/wiki/File:2009_CUN_Award_Party_William_Atherton_008.JPG

1947年、米コネチカット州出身。学生時代より役者を志し、1972年に『センチュリアン』で映画デビュー。翌1973年にはスティーブン・スピルバーグ監督の劇場映画デビュー作『続・激突!/カージャック』に出演する。『ゴーストバスターズ』のウォルター・ペック役で印象を残した後、ブルース・ウィリス主演『ダイ・ハード』シリーズのTVレポーター、リチャード・ソーンバーグ役で名をあげた。その後も、『マッド・シティ』(1997)や『イントゥ・ザ・サン』(2005)などに出演。近年は活動をセーブしている模様。

『ゴーストバスターズ』出演者/吹替声優

キャラクター名 キャスト 日本語吹替声優
ピーター・ベンクマン博士 ビル・マーレイ 安原 義人
レイモンド・スタンツ博士 ダン・エイクロイド 玄田 哲章
イゴン・スペングラー博士 ハロルド・レイミス 牛山 茂
ウィンストン・ゼドモア アーニー・ハドソン 菅原 正志
ディナ・バレット シガニー・ウィーバー 駒塚 由衣
ルイス・タリー リック・モラニス 高木 渉
ジャニーン・メルニッツ アニー・ポッツ 安達 忍
ウォルター・ペック ウィリアム・アザートン 森田 順平

アイヴァン・ライトマン監督

Ivan Reitman アイヴァン・ライトマン
Photo by Canadian Film Centre https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Directors_Arthur_Hiller_and_Ivan_Reitman_attend_The_Canadian_Film_Centre_cocktail_reception_2011.jpg

1946年、チェコスロバキア出身。反ユダヤ主義から逃れるべく、カナダに移住した。1968年、22歳の時に短編コメディ『Orientation(原題)』を製作。1971年に『Foxy Lady(原題)』で長編監督デビューを飾る。70年代後半から80年代前半にかけて、ビル・マーレイ主演のコメディ映画『ミートボール』『パラダイス・アーミー』を監督。その後手がけた『ゴーストバスターズ』で監督としての知名度を獲得する。監督業と並行してプロデューサー業にも精を出し、自身の監督作品のほかデヴィッド・クローネンバーグ監督の『デビッド・クローネンバーグのシーバース』(1975)や、ジョン・ベルーシ主演&ハロルド・レイミス脚本の『アニマル・ハウス』(1978)の製作を手掛ける。

以降、監督としては『ゴーストバスターズ2』(1989) や『キンダガートン・コップ』(1990)『ファーザーズ・デイ』(1997)『抱きたいカンケイ』(2011) など、製作では『マイレージ、マイライフ』(2009) 『ゲスト』(2009)『ベイウォッチ』(2017)『ヒッチコック』(2012)などに参加。『ゴーストバスターズ/アフターライフ』では製作を務めている。

新作情報『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

ゴーストバスターズ/アフターライフ
Trevor (Finn Wolfhard), Phoebe (Mckenna Grace) and Podcast (Logan Kim) in Columbia Pictures’ GHOSTBUSTERS: AFTERLIFE.

第1作『ゴーストバスターズ』、そして1989年の第2作『ゴーストバスターズ2』に続く約33年ぶりの新作が『ゴーストバスターズ/アフターライフ』。2016年には主人公が女性キャラクターに置き換えられたリブート版『ゴーストバスターズ』が公開されているが、『ゴーストバスターズ/アフターライフ』は正統な続編となる。

舞台はオリジナル2作のニューヨークから移り、アメリカ中西部に位置するオクラホマ州の田舎町。かつて一世を風靡したゴーストバスターズのレガシーを継いでいるとは知らずに生きてきた少女フィービーと兄のトレヴァーらが、30年の時を越えて復活したゴースト相手に立ち向かっていく。

キャストや製作陣など、更なる詳細はこちらの記事を参照してほしい。

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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