デンゼル・ワシントン「私の仕事は魂に基づく」『グラディエーターⅡ』来日インタビュー

そうなのか?
──はい。脚本を書いているところということで、プロデューサーはロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ。でも、それからなかなか進捗がないんですね。
それは私も知らないね。
──『トレーニング デイ』前日譚についてご関心は?
ないです。知らなかったくらいだし。
──もしも息子さんのジョン=デイヴィッドが、あなたのキャラクターの若いバージョンを演じるとしたら?
彼もやりたがらないと思いますね。彼には彼のキャリアがあり、人生があり、自分の関心がある。彼の兄弟も映画監督やっていて、みんなそれぞれ違った方向性で仕事をしています。やらないんじゃないかな。もしも私が彼なら、やりたくないでしょう。ところで、アントワーン・フークアとは来年9月、『Hannibal(原題)』を撮影しますよ。ローマと闘った「ハンニバルの象つかい」の話です。
──それは楽しみです。直近の次回作は、プロデュースを手がけた『Piano Lesson(原題)』ですね。
そう。『Piano Lesson』は、(本国では)『グラディエーターⅡ』と同日リリースになるんです。私の家族が参加している作品で、父親としてとても誇らしく思っています。
──ところで、この週末に『天使の贈りもの』を観ていたんです。あなたがホイットニー・ヒューストンと共演した、1996年のクリスマス・コメディです。この季節に観ると素敵な作品です。
ありがとう。
──そこで思ったのですが、あなたはコメディ作品にはあまり出演しませんね。いつも素敵なユーモアのセンスを見せてくれているのにです。
コメディのやり方がわからないんですよ。私の初めての映画はコメディでした。でも、私は面白くなかった。笑いについての心得がないんです。
お笑いにはメカニズムがある。私は頭の回転が速く、即座に対応ができる。瞬間的なアドリブもできる。ただ、ジョークを組み立てて話したり、笑いを取ったりするのは、どうやるのかわからないのです。
笑いには素晴らしい監督が必要です。リドリー・スコットはわかっている方で、素材をカットして、ペーストして、面白く見せることができる方です。私がこんな顔をしていても(しかめ面で何かを見つめる表情)、彼なら、カットして、カットして、カットして……、それで成立させてくれる。『グラディエーターⅡ』でも、ユーモアのある軽い印象の場面は、彼は全て活用していました。私も完成版を観て驚きましたよ。まだ観客と一緒に鑑賞していないから、皆さんがどう反応するかが楽しみです。
──お時間になりました。本当にありがとうございました。
ありがとうブラザー。神のご加護を。

『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』は2024年11月15日より日本公開。
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