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『Ghost of Tsushima』映画版、「日本人キャスト&日本語映画にしたい」と監督 ─ ソニー側も支持

Ghost of Tsushima
©Sony Interactive Entertainment LLC.

鎌倉時代の日本を舞台にした時代劇オープンワールド・アクションアドベンチャーゲーム、『Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)』のハリウッド映画化を手がけるチャド・スタエルスキ監督が、“全編日本人キャスト、全編日本語”での映画化を目指していることを米Colliderにて明かした。

原作ゲーム『Ghost of Tsushima』は、鎌倉時代の蒙古襲来を題材に、主人公の境井 仁が、武士の道に反した“冥人”として対馬を敵の手から解放すべく戦うストーリー。往年の時代劇や黒澤明映画への敬意がたっぷりと払われたが、『ジョン・ウィック』シリーズで知られるスタエルスキも「黒澤明は自分の映画人生に大きな影響を与えた5人のうちに入る」とコメント。ゲームを丁寧に映画化することへのこだわりを示した。

「(原作を)正しく扱えば素晴らしいビジュアルの映画になると思います。キャラクター主導の作品で、最高のアクションとルックを生み出せる。そして僕たちが挑みたいのは、それをキャラクターの全員でやること。モンゴル(編注:蒙古)が対馬を侵略するという日本の物語ですから、完全に日本人キャストで、日本語でやりたい。ソニーも強く賛成してくれています。僕は16歳の頃から日本に行っていて、国も、人々も、言葉も大好き。自分の言語だけでなく別の言語でも演出したいし、文化的にも考え方を切り替えてみたいんです。」

スタエルスキいわく、原作は「誰もが愛する神話的な要素が詰まっている」ストーリーで、その映画化は「普遍的な物語のテクノロジーと人物をより高めるチャンス」。日本を愛する監督は、周囲から「サムライ・フェチ」とも言われるそうだ。本人によると、その偏愛ぶりは日本の漫画やアニメーションに由来するもの。つくづくうってつけの人材ではなかろうか。

もっともスタエルスキは、「非英語の技術革新映画に2億ドル出す人はいない、それはわかっています」と述べ、「だから原作やスタジオの信頼を得て、きちんと責任を持ち、その中でやりたいことを実現しつつ、壮大な映画を作る。大きなチャレンジです」とその重責ぶりを強調。しかし昨今、Netflixなどで世界中の作品が人気を得ていることは本作にも有利に働きそうだ。監督も「アメリカやヨーロッパの観客がどんどん字幕に慣れてきた。彼らは劇場にも来てくれるでしょう」と希望を語っている。「ビジュアル、アクション、ストーリーなど、すべてを成功させれば映画館に行きたいと思ってもらえる」と。

ちなみに『ジョン・ウィック』シリーズの最新作『John Wick: Chapter 4(原題)』には、アジアから真田広之やドニー・イェンが参加。『Ghost of Tsushima』に先がけて、スタエルスキとの言語や文化を超えたコラボレーションを楽しむことができそうだ。

映画『Ghost of Tsushima(原題)』は企画段階で、具体的な撮影時期などは不明。脚本は新鋭タカシ・ドッシャーが執筆する。

Source: Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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