Menu
(0)

Search

「ゲーム・オブ・スローンズ」原作者、全10シーズンでの完結を直談判していた

ゲーム・オブ・スローンズ 第五章:竜との舞踏
©2020 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

全8シーズンで幕を閉じたファンタジードラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)の原作者として知られるジョージ・R・R・マーティンが、10シーズン分の製作を米HBO側に直談判していたことがわかった。2021年11月23日にアメリカで出版された書籍『Tinderbox: HBO’s Ruthless Pursuit of New Frontiers』の中で、マーティンの代理人を務めるポール・ハースが証言している。

「ゲーム・オブ・スローンズ」は、マーティンによる小説『炎と氷の歌』シリーズを原作として2011年にスタート。小説に沿って進んでいったストーリーも、いつしか原作の範囲を越え、2019年に小説未完のままドラマオリジナルの物語で幕を閉じた。

ドラマ完結当時、マーティンは「もう何シーズンかあったら良かったです」と複雑な心境を吐露していたが、ドラマ終了前のあるタイミングでは、8シーズンで完結させないよう製作側に直訴していたのだという。代理人のポール・ハースは、マーティンが米HBOの会長を務めていたリチャード・プレプラー(現:独立後、Apple TV+と契約)と面会したエピソードを振り返り、書籍の中でこう述べている。

ジョージは、プレプラー氏とのランチのために飛行機でニューヨークに飛びました。10シーズン分10エピソードを作るよう頼み込むためです。彼は“十分な原作資料も準備できていますし、そうすればもっと満足のいく楽しい経験になるから”と伝えたかったんです

プロデューサーたちは、当然のことではありますが疲弊しているようでした。もう決まったことだから前に進むんだ、という感じで。だから彼らは(物語の)近道をしたんです。それから交渉の焦点は、あと何シーズン分食い延ばすことができるかということになりました。もちろんHBO側もこれ(製作)を望んでいましたけれど。」

マーティンが直談判した明確な時期は定かでないものの、8シーズンでのドラマ完結が発表された2016年8月より以前のことだろう。ハースの回顧によれば、HBO側もドラマの延命には前向きだったというが、これは事実であるよう。書籍では、HBOでコンテンツ部門の最高責任者を担当するケイシー・ブロイス氏も当時を振り返り、「私だったら、あと2シーズンくらいは作っていたでしょうね!」と述べているのだ。

その一方でドラマ完結発表当時、ブロイス氏は共同製作を務めたD・B・ワイスとデイヴィッド・ベニオフについて、「彼らにはシーズン数に関するとても明確な計画があったんだと思う」とプロデューサー側の意思を尊重するコメントを出していた。原作者のマーティンもドラマシリーズで製作総指揮を務めていたが、シリーズの存続にあたり優先されたのは、現場を指揮するD・B・ワイスとデイヴィッド・ベニオフだったようだ。

現在、マーティンは小説の執筆業と並行して、「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚ドラマ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン(原題)」をはじめ、複数のスピンオフ作品で脚本・製作総指揮を務めている。いずれも「ゲーム・オブ・スローンズ」と同様に自身の原作小説に基づいた作品であるから、マーティンには二度も悔しい思いをしてほしくはないが……。

Source: Rolling Stone,Tinderbox: HBO’s Ruthless Pursuit of New Frontiers(参照:Insider),THR

Writer

アバター画像
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly