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Googleで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』を検索すると誤情報が出るとジェームズ・ガン監督が困っている

ジェームズ・ガン
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28557194032/

世界一の検索エンジンGoogleと、Webサイト運営者の付き合い方はとても奇妙だ。ほとんどのWebサイトにとって、Google検索エンジンからの流入はアクセスの大部分を占めうることになるし、それは時に収益の大部分を生み出すことになる。だから運営者は、SEO(検索エンジン最適化)対策と呼ばれる手法に時間やコストを費やし、検索流入を最大化させようと試みる。

そんなGoogleの検索結果画面は、大小様々な進化を続けている。ここ数年で最も顕著なアップデートの一つが「ナレッジパネル」というもので、検索ワードに対するざっくりとした「回答」が、検索結果画面上にダイレクトに表示されるというものだ。たとえば「ジョー・バイデン 出身地」とGoogle検索すると、「アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 スクラントン」という答えが、検索結果画面上に大きく表示される。

これはユーザーにとっては喜ばしい進化だ。「Google先生」が即答してくれるのだから、自分が求める情報が掲載されていそうなWebサイトを、わざわざ検索結果一覧から探してアクセスしなくても良い。

ところがWebサイトの運営者側にとっては、少し悩ましいところもある。「ジョー・バイデン 出身地」と検索すると、結果にはWikipediaがトップ表示されるが、ナレッジパネルの回答に満足したユーザーは、もうWikipediaのページを訪れることはないだろう。つまりナレッジパネルは、Webサイトへのアクセスをいくらか奪っているかもしれないのだ。

しかし、そんなナレッジパネルも信用ならないぞと呼びかけるのが、マーベル映画ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督だ。ガン監督は自身の監督次回作『Guardians of the Galaxy Vol.3(原題)』についてGoogleで検索してみたことがあったそうで、そこに表示されたナレッジパネルの情報が大きく間違っていると呟いている。

「誰かがGoogle moviesのGotGVol3のキャストで遊んでいるようだ。(注意:この中だと、出演確定しているのはウィルだけだからね)」

ガン監督が共有したスクリーンショットでは、ナレッジパネルの「キャスト」のタブに、クリス・ヘムズワースやセス・グリーン、ヴィオラ・デイヴィス、ジェイ・コートニー、ジョエル・キナマン、イドリス・エルバ、キング・バーチといった俳優たちが表示されている。監督の別作品『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)のキャストもずいぶん混じっているが、これらはデタラメということだ(同じ情報は、日本語で検索しても確認できる)。

Googleは、一体なんの情報を元に「ナレッジパネル」のコンテンツを表示させているのだろう?Googleのヘルプページは、「ナレッジパネルは自動的に生成されます。表示される情報はウェブ上のさまざまな情報を元にしています。映画や音楽などの特定のトピックに関しては、信頼できるデータを提供するデータ パートナーと協力しており、そのデータを他の公開ウェブソースの情報と組み合わせることもあります」と説明している。つまりGoogleが信頼しているWebサイトの情報を自動的に収集して表示しているに過ぎないのだ。

映画の情報についてGoogleは、おそらくIMDbWikipediaといったサイトから情報を収集しているものと思われるが、両サイト共に、セス・グリーンやヴィオラ・デイヴィスといったキャストの誤情報が掲載されていた痕跡は確認することができない。いくつかの可能性を考えてみよう。

IMDbに一時的に掲載された誤情報をGoogleが拾った?

世界最大級の映画データベースサイトであるIMDbは映画やドラマのクレジット情報が掲載されているが、これは一般の登録ユーザーが編集できるものだ。Webサイトの過去の表示内容が確認できるWay Back Machineを使ってIMDbのページの過去を調査してみたが、誤情報の痕跡は見当たらなかった。もしかしたら、短期間のみ誤情報が掲載され、それを偶然Googleが拾ったのかもしれない。

予想記事の内容をGoogleが誤読した?

ジェームズ・ガン監督はかつてTwitterで、「『スーサイド・スクワッド』の出演者が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に呼ばれることはあるか?」との質問に「ありえる」と答えたことがある。これを受けて一部のWebメディアでは、『スーサイド・スクワッド』の主要キャスト名を羅列しながら、そのいずれかが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』に出演するかもしれない、と伝えたことがある。Googleは、こうした記事を確定情報として誤読したのかもしれない。ちなみにガン監督もこの可能性について、「なんでキング・バーチがVol.3の記事で言及されたんだ?」と困惑している

ナレッジパネルが直接編集された?

上記二つの線は、世界で最も優秀な検索エンジンとされるGoogleが起こすミスにしては、ややあり得なさそうなものだ。ガン監督が「誰かがGoogle moviesのGotGVol3のキャストで遊んでいるようだ」と推測しているように、第三者がナレッジパネルの情報を任意に書き換えているのかもしれない(ちなみに監督のいうGoogle moviesという情報サービスは存在しない)。

ナレッジパネルは認証を受ければ、表示される情報の正誤を伝えたり、リクエストを送ることができる。ただし、これは基本的には個人や店舗、企業などに関する表示内容を正しいものに編集するためのものだ(例えば、個人名での表示内容に全く別人の顔写真が拾われているなどの誤情報を、本人自らが修正できる)。

映画のキャスト情報などのナレッジパネルについては「フィードバック」を送ることができ、問題と見られる箇所について「不正確」「情報が古くなった」などの項目と共に、任意のテキストを送信することができる。これを利用して、誰かが誤ったキャスト情報をGoogleに送信したという可能性だ。


ガン監督がTwitterで誤情報だと伝え、多くの人の目に留まったことで、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』のGoogleナレッジパネル情報は、近いうちに正しいものに自動更新されるかもしれない。ともかく、ナレッジパネルは大きく間違った情報が掲載されている場合もあるというのは明らかだ。便利な機能であるが、ユーザーは自ら信頼できるWebサイトを訪れて、情報のダブルチェックを行った方が良いのだろう。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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