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【レビュー】カッコよすぎるマジックに気持ちよく騙される『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』

2013年に公開されたクライムサスペンス『グランド・イリュージョン』の続編が遂に日本上陸!マジックの規模も、お話が展開される舞台の多さも、かなりパワーアップして帰ってきました。ことしの夏は『シン・ゴジラ』や『君の名は。』など邦画にとても活気がありますが、やはりハリウッド発のド派手な映画のことも忘れちゃいけません。何も考えず、ただひたすらスクリーンに身を任せ、カッコいいパフォーマンスに酔いしれる。そういう楽しみ方ができる作品は、いま劇場で公開されている中ではこの『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』しかないでしょう。そんな本作の魅力について、今回はお話したいと思います。

http://www.cinemacafe.net/article/img/2016/07/15/42003/232358.html
http://www.cinemacafe.net/article/img/2016/07/15/42003/232358.html

『グランド・イリュージョン』って?

まず本作について話をする前に、前作『グランド・イリュージョン』にも触れておきましょう。

http://starmint.net/grand-illusion.html
http://starmint.net/grand-illusion.html

監督は『トランスポーター』シリーズなどクライムアクション映画の分野で才能を発揮してきたルイ・ルテリエ。そしてマジックの監修はデヴィット・カッパーフィールドが務めています。マジックに興味はないけど、名前ぐらい聞いたことあるという人も多いのではないでしょうか。彼はステージ上で大規模に魅せるイリュージョンの天才です。Mr.マリックよりは引田天功、セロのイメージといえばなんとなくわかるんじゃないでしょうか?

 

本作の主人公は「フォー・ホースメン」を名乗るイリュージョニストたち。ジェシー・アイゼンバーグ演じるアトラスをリーダーに、メリット(ウディ・ハレルソン)、ジャック(デイブ・フランコ)、ヘンリー(アイラ・フィッシャー)の四人がメンバーです。黙示録に登場する四騎士をイメージしているようです(『X-MEN:アポカリプス』でも同じモチーフのキャラが登場しましたね)。
彼らがラスベガスのステージにいながらパリにある銀行の金庫から華麗にお金を盗み出してみせます。これはとんでもないことだとFBIが動き出し、捜査官のディラン(マーク・ラファロ)がマジックの種明かしを生業とするサディアス(モーガン・フリーマン)に協力を依頼する…というのがお主なあらすじ。また「アイ」という大昔から真のマジックを守り続けてきた謎の秘密結社も登場します。この先どうなっていくのか?ストーリーに仕掛けられた壮大なトリックについては、ぜひご自分の目でお確かめください。

ちなみに原題の『NOW YOU SEE ME』はマジックをする際に観客の目を引くときに使う言葉。「ほら、こっちを見て」ぐらいの意味です。これを頭に入れておくとより深く作品を楽しめるかもしれません。

より大胆で迫力を増した『見破られたトリック』

続編『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』は第一作の一年後が舞台になっています。今回はハイテク記号に隠された巨大な陰謀を暴こうとしたところ、何者かによって妨害されてしまい、フォーホースメンが窮地に立たされてしまうところから話は始まります。細かいあらすじを書いてしまうと第一作のネタバレを含んでしまうので、ここではあえて触れません。そうです、この映画を100%楽しみたいのであれば、『グランド・イリュージョン』をチェックしておく必要があります。とくに冒頭部分は前作のあらすじを覚えていないのと、すんなり話に入っていけないので、やはり予習・復習が必要です。ネットフリックスでも配信されているので、ぜひ内容を確認しておいてください。

本作の魅力は何といってもその迫力満点なマジック。前作は冒頭の銀行泥棒とクライマックスのパフォーマンスが観客の予想を大きく上回る非常に爽快なものでしたが、『見破られたトリック』はもっとびっくりするものを期待してください!きっと気持ちよく騙されるでしょう。

正直、ホントに実現可能なのか?と疑いたくなってしまうほどに大胆なものも多いのですが、どうやら全て実際にパフォーマンスできるトリックを用意してあるそうです。なのであまりひねくれたことは考えず、純粋に、素直にマジックに感動しましょう!筆者のお気に入りは予告編にも登場するアトラスの雨を止めるマジックです。これが非常にカッコいい。観ていて鳥肌が立ちました。

ちなみに本作ではいくつかアクションシーンも展開されます。しかもただ殴る、蹴るというような内容のアクションではなく、マジシャンらしいひとひねり効いた動きをみせます。計算された流れるアクションの中にクレバーな工夫があふれていて、観ていてとても楽しい。こちらも必見です。

最強のキャストが集結!華やかなキャラクターにも注目

今回登場するフォーホースメンは、ヘンリーの離脱もあって、新たなメンバーを迎えた新体制になります。リーダーのアトラス、そしてメリットとジャックは続投。ここにルーラ(リジー・キャプラン)が加わります。彼らの軽妙でテンポの良い掛け合いはクセになること必須。やはり筆者のひいきはアトラス。ジェシー・アイゼンバーグの早口オタク演技が光ります。この手の役をやらせたら、彼の右に出る者はいないでしょう。頭脳明晰で冷静沈着、チームのリーダーにふさわしい風格を存分に発揮しています。新メンバーのルーラも非常に魅力的でした。なにかと自己主張の激しい男たちの間で、唯一大人にみえます。というか、シリアスな状況でもとりあえずジョークを飛ばすという、なかなかにキュートなキャラです。こういうと空気の読めない人のように聞こえてしまいそうですが、リジー・キャプランのキャラ造形がとてもいいバランスを保っているので、愛らしく好ましいキャラクターになっています。

前作からマーク・ラファロ、モーガン・フリーマン、マイケル・ケインも続投。本作最大の敵キャラとなる新登場のウォルターはダニエル・ラドクリフが演じています。一時期はハリー・ポッターのイメージに苦しめられた彼ですが、最近はすっかりダーティな役も板について、演技の幅も広がっていますね。ウォルターも頭の切れる、とていやらしい男でして、フォーホースメンを応援したくなる気持ちに火をつけてくれます。やはり嫌われる悪役がいてこそヒーローが輝くんですよね。

以上、マジックとキャラクターという二つの面から『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』のすばらしさについてご紹介しました。まずは、一作目を観てください!そして全力で騙されにいくこと。鑑賞後の爽快感はなかなかです。マジック映画というのも珍しいジャンル。この機を逃すのはもったいないですよ! 

Writer

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トガワ イッペー

和洋様々なジャンルの映画を鑑賞しています。とくにMCUやDCEUなどアメコミ映画が大好き。ライター名は「ウルトラQ」のキャラクターからとりました。「ウルトラQ」は万城目君だけじゃないんです。

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