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まるで5本の映画を一度に観たような初めての体験!『ヘイル、シーザー!』評価・レビュー

映画『ヘイル、シーザー!』レビュー

コーエン兄弟はいつだってそうだ。

会話劇の面白さ
巧みなストーリー展開
こちらの想像の斜め上をいく終幕
そして最後には胸に響くものを届けてくれる。


1950年代のハリウッド

映画会社に勤めるエディ(ジョシュ・ブローリン)の仕事は、撮影スタジオ内外で起こり得るあらゆるトラブルの対処と解決をすることだ。

絶えることのないトラブルの対処に追われる中、超大作映画『ヘイル、シーザー!』の撮影現場から 主演俳優であるベアードが行方不明になる。

誘拐されたベアードの捜索のみならず、あらゆるトラブルに対処していく男の姿を描いた作品だ。

予告やあらすじだけを見ていると、誘拐事件が主軸にある作品に感じられるだろう。
ぼくもそうだった。
捜索にあたり、あらゆるスキルを持ち合わせた役者達と協力してベアードを探し当てる話なのだと。

だが、そうではなかった。
スクリーンに描かれていることは スクリーンから感じられることはそうではなかった。

ひとりの男の姿を
仕事に懸ける想いを
生き方を
迷いを
葛藤を

エディという男の生き様を描いている作品だったのだ。

ぼくが あなたが生きていく上で、あらゆる困難に出くわすだろう。

ぼくらはそれに立ち向かい 前へと進んでいく。
時には打ちひしがれることもあるだろう。

エディにとってもそうなんだ。
誘拐事件をはじめ、あらゆるトラブルが 重圧が 選択が彼に迫り来る。

彼は行動する
立ち向かい 悩み 揺れ動く
時には休み 再び立ち向かっていく。
ひとつひとつクリアしていく。

誘拐事件の大捜査を求めていた人にとっては「あれ?面白いけど話が中々進まないぞ」と思うかもしれない。

それでいいんだ。
話の焦点は、重きを置いて描いているのはそこではないのだから。

観ている内に合点がいくはずだ。

ハリウッド 撮影スタジオという点などからカムフラージュされがちだが、劇中の人物達の想いや行動の理由は 現実を生きるぼくらと変わらない。

それらを ハリウッドを舞台に描くからこそこの作品は面白い。

今作一本で、まるで あらゆるジャンルの映画を5本同時に観た感覚になれた。
それは初めての映画体験であった。

エディの仕事に取り組む姿勢に
思い悩む姿に
決断を下す姿に勇気を貰えました。

何でも屋(劇中でそんな言葉は使われちゃいない) 誘拐 ハリウッドなどの言葉に惑わされ、少しズレた先入観を持って観たとしてもこの作品は楽しめる。
観ている内に 何が描かれているのかが伝わってくるからだ。

だが、まだ劇場でこの作品を観ていないのならば その先入観を取っ払った上で観て欲しい。

その方がより一層この作品を味わい尽くせるはずだから。

コーエン兄弟作品はやっぱりオモシロイ!

Writer

ミヤザキタケル
ミヤザキタケル

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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