Menu
(0)

Search

ダンス✕楽器!表現手段の多さが面白い、映画『ハートビート』レビュー

映画『ハートビート』感想・評価

プロのバレエダンサーを目指しニューヨークにあるスクールへ奨学金で入学したルビー(キーナン・カンパ)は、労働ビザがないために地下鉄で演奏するバイオリニスト ジョニー(ニコラス・ガリツィン)に出逢う。
それぞれに抱える現状を打破するため それぞれに想い描く夢を叶えるため、2人はヒップホップダンスグループ スイッチ・ステップスの面々と力を合わせ「弦楽器&ダンスコンクール」優勝を目指す。
夢を叶えることの難しさ 夢を追い求める情熱を描いた作品だ。

正直に書くが、そのストーリー展開や登場人物の心模様に物足りなさを感じていた。
が、それを補って余りある音楽による説得力が ダンスによる説得力がこの作品にはあった。

言葉がなくとも、奏でられる音楽によって 力強いダンスによってすべてが伝わってくる

気が付けば見入っていた
いや、魅入っていた。

ぼくには言葉や文章以外の表現手段がない。

楽器を奏でられる人
身体を自由自在に操れる人
絵を描ける人
物語を書ける人

その他数多ある芸術的表現の何かしらを身に付けている人は、ぼくよりも表現手段が一つ多い。

それはとてもスゴいことだと思う。
大袈裟に聞こえるかもしれないが、この作品がそれを体現している。

この作品が面白いのは、表現手段の多さによるものだ。

それを持ち合わせていないぼくなんかには激しく響く。

ダンスや楽器をやっている人が観たらどう感じるのかは分からない。
けれど、物足りないと思っていた心の葛藤やストーリー展開に関して すべてカバーできていた。
というか、それを踏まえてのこの作りだったのだと思う。

夢を叶える手段に正解はない
その夢が芸術的要素を含むモノならば、それはより一層険しい道になる。

物語が始まった段階で、ルビーもジョニーもスイッチ・ステップスの面々も ある程度の力を持っていた。

その力を持ってしても、その先へ進むことができずにいる。

スクールで学ぶ
他人と群れることなく ひとり打ち込む
仲間とチームを組む

それぞれのスタイルで夢へとトライしていた。

夢を追っている人であるのならば、きっとどれかに当てはまるのではないだろうか。
ぼくはジョニーのスタイルに自分と重なるモノを見た。

劇中で起きたことはきっと一つの可能性
自分のスタイルを貫き通すことが良い場合もきっとあるし、他者と関わることで起きる変化を受け入れることが重要な時もある。

結果という名の正解が後々自ずと付いてくるが、事前にそれを知り得ることは不可能だ。

その上でこの作品はたくさんのモノを感じさせてくれる

勇気

いつ抜け出すことができるかも分からない迷路を歩むぼくらにとって、可能性という名の光を感じさせてくれる。

気が付けば、原題である「High Strung」が示す通りの興奮状態でスクリーンを眺めていた。

柔らかい心を持ちたい

端から拒絶しての「NO」と、一度受け入れた上で導き出す「NO」は最早別物

自分の意志を貫き通すためには、そういった心の柔軟性が必要なのだと思う。

観て良かった。

数々の受賞経験を持つキーナン・カンパのダンス
セクシーなニコラス・ガリツィンが奏でるバイオリン
どちらも魅力的でしたが、「エクス・マキナ」で特異な演技を見せてくれたソノヤ・ミズノのストレートな演技が見られるのも今作のポイントです!

ぜひ劇場でご覧ください。

Writer

ミヤザキタケル
ミヤザキタケル

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

Tags

Comment

Ranking

Daily

Weekly

Monthly