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アル・パチーノ対デ・ニーロの『ヒート』、前日譚に向け進行中

ヒート
© LFI/Photoshot 写真:ゼータイメージ

アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが激突したマイケル・マン監督作『ヒート』(1995)から早25年。傑作クライム・スリラーの物語が、帰還に向けて準備中だ。マイケル・マン監督が、この映画の前日譚に向けての動きを知らせた。

『ヒート』は、アル・パチーノが演じる熱血漢ヴィンセント・ハナ警部補と、ロバート・デ・ニーロが演じるプロ犯罪者のニール・マッコリーの対決を描いたハードボイルド作。匠な心理戦や激しい銃撃戦が描かれ、警察側パチーノと犯罪者側デ・ニーロのヒリヒリするような対話劇が繰り広げられる。

マン監督は、この『ヒート』主要人物の前日譚小説を書くとされており、2016年に初報が登場し、2019年には「来年」、つまり2020年中に出版予定と明かしていた。このとき、共著者としてベストセラー作家のリード・ファレルコールマンの名と、出版社ハーパーコリンズの名も挙げていた。

その報告からおよそ1年が経ち、マン監督は米Deadlineに現況を報告。『ヒート』前日譚の調子はいかがですか、と尋ねられたマン監督は、「私のデスクに10インチ(約25cm)くらい積んであります。取り組み中ですし、小説と脚本に時間も使っています。今は言えないんですけど」とアップデート。「とにかく、『ヒート』の前日譚映画は絶対に作りたいですね」との意気込みを語った。

映画化したい、と語られた点がポイントだ。2016年当時の情報によれば、この前日譚ではアル・パチーノのヴィンセント・ハナ、デ・ニーロのニール・マッコリー、そしてヴァル・キルマーが演じたクリス・シヘリスやジョン・ヴォイトが演じたネイトの、映画以前の様子が描かれるとのことだった。25年も前の映画だから、もしも今後映画化するのであれば、当然キャスティングが問題になってくる。デジタル技術を用いた「若返り」が施される可能性もあるだろう。ちょうど、パチーノとデ・ニーロが『アイリッシュマン』で見せたように……。

なおマン監督は、『ベイビー・ドライバー』(2017)のアンセル・エルゴートと渡辺謙が出演するドラマ「トウキョウ・バイス(邦題未定、原題:Tokyo Vice)」の第1話(パイロット版)の監督を手掛けた。舞台は日本、アンセル演じる外国人記者が、警察回りをするうちに暴力団がらみの裏社会へと潜入していくといった物語だ。ちょうどコロナ禍を迎える前後に日本で撮影を行っており、米ワーナーメディアの映像配信サービス「HBO Max」のオリジナル作品として配信予定。マン監督ならではのハードボイルド的な描写に期待しつつ、『ヒート』前日譚の進捗と共に待ちたい。

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Source:Deadline

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。