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『ハウス・オブ・カード』シーズン6で完結、スピンオフ製作へ ― ケビン・スペイシーのセクハラ問題は無関係か

ハウス・オブ・カード
© 2017 MRC II Distribution Company L.P. All Rights Reserved.

2017年10月30日、米Netflixはドラマシリーズハウス・オブ・カード 野望の階段』をシーズン6で完結させることを決定した。この情報は、シリーズで主演・製作総指揮を務めるケビン・スペイシーのセクハラ問題が伝えられてから間を開けずに米国の複数メディアで報じられたものだ。Netflixはシリーズの製作を担当する米メディア・ライツ・キャピタル社と共同で声明を発表している。

ケビン・スペイシーによるセクハラ問題

10月29日(現地時間)、映画『レント』(2005)などに出演する俳優アンソニー・ラップ氏が、1986年にスペイシーから性的行為を求められたことを米BuzzFeed Newsのインタビューで告発した。当時14歳だったラップ氏を、26歳のスペイシーが自宅でのパーティーに誘い、そこでベッドに連れ込んで性的行為を一方的に求めたというのだ。ラップ氏はその場で拒否したものの、その行為が明るみに出ることはこれまでになかった。

この告発のあと、スペイシーは自身のTwitterでコメントを発表。当時の振る舞いを「正直に言って覚えていない」とした上で、「酒に酔っての非常に不適切な行動を心からお詫び」すると謝罪している。ただし、そのコメントに自身がゲイであることを公表する内容が含まれていたことには各方面から厳しい批判が集まった。いうまでもなく、性的行為を無理に迫るという行為とその人物がゲイであることには一切関係がない。

『ハウス・オブ・カード』完結、スピンオフ製作へ

Deadline誌は、Netflixとメディア・ライツ・キャピタルが『ハウス・オブ・カード』の完結を公式に決定したのはスペイシーの問題が報じられてから約12時間後だったと記している。10月30日(現地時間)、両社は以下の声明を発表している。

「メディア・ライツ・キャピタルとNetflixは、ケビン・スペイシーに関する昨夜のニュースに深く困惑しています。昨夜の告発を受けて、両社の幹部は(シリーズの)安全と支持を今後も確保するため、キャスト・スタッフと面会すべく本日午後にボルチモアへ到着しました。以前から予定されていた通り、ケビン・スペイシーはこのたびの撮影に参加していません。」

エンターテインメント・ウィークリー誌によると、シリーズの完結編となるシーズン6の撮影は2017年10月中旬より米メリーランド州にてスタートしていたという。製作チームと両社幹部が面会して、今後の方針や動きについての話し合いが行われたということだろう。
ただし米ハリウッド・レポーター誌や米TV Lineなど複数メディアが報じ、またNetflixも公式に認めているように、『ハウス・オブ・カード』の完結は数か月前に決定されたもので、スペイシーのセクハラ問題が直接の影響を与えたものではないという。Deadlineの報道とはやや矛盾が生じるが、以前から決まっていた事実の公表時期が大幅に前倒されたという可能性も高そうだ。

たしかに『ハウス・オブ・カード』が完結するという動きには、スペイシーのセクハラ問題とはある程度切り離して考えうる余地がある。なぜならシリーズのショーランナー(編注:脚本やプロデュースなどの製作統括)を2013年のシーズン1から務めてきたボー・ウィリモンがシーズン4(2016)をもって離脱し、シーズン5(2017)には後任者としてジェームズ・ギブソン&フランク・パグリースが参加したが、作品への評価は急落を免れなかったのである。2016年にドナルド・トランプ現米大統領とヒラリー・クリントンが争った米大統領選挙と比較して、「現実にフィクションが追いつけなくなってしまった」という批判もあったほどだ。ドラマとしての耐用期間を鑑みての完結か、それともスペイシーのセクハラ問題がとどめを刺したのか、真実はわからない。

しかし、いずれにせよ『ハウス・オブ・カード』がNetflixにとっての目玉コンテンツであることに変わりはないようだ。シリーズ完結が伝えられた直後、米バラエティ誌はスピンオフ作品の企画がすでに始動していることを報じている。
報道によれば、Netflixとメディア・ライツ・キャピタルは『ハウス・オブ・カード』と世界観を共有するスピンオフ作品を複数企画しており、開発は初期段階にあるという。ある企画はスペイシー演じる主人公フランクの腹心であるダグラス・スタンパー(マイケル・ケリー)に関する内容で、脚本にはシーズン4まで製作総指揮を務めていたエリック・ロスが就任するようだ。ほかにも最低2つの企画が存在するが、どちらも脚本家は決定していないという。

ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』シーズン6は2018年配信予定で、具体的な時期は発表されていない。なおDeadlineは、同じくスペイシーが主演するNetflixオリジナル映画『ゴア(原題:Gore)』も問題の影響を受ける可能性があるとしている。

Sources: https://www.buzzfeed.com/adambvary/anthony-rapp-kevin-spacey-made-sexual-advance-when-i-was-14
http://ew.com/tv/2017/10/30/house-of-cards-season-6/
http://deadline.com/2017/10/house-of-cards-canceled-kevin-spacey-scandal-netflix-season-six-1202197604/
http://tvline.com/2017/10/30/house-of-cards-ending-cancelled-season-6-kevin-spacey/
http://variety.com/2017/tv/news/netflix-spacey-house-of-cards-netflix-1202602359/
http://variety.com/2017/tv/news/house-of-cards-spinoff-1202602850/
https://www.rottentomatoes.com/tv/house_of_cards
© 2017 MRC II Distribution Company L.P. All Rights Reserved.

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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