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『スパイダーマン:ホームカミング』のヴィラン・チーム、MCU作品と設定が繋がりまくり?ヴァルチャーの設定に続報も

映画『スパイダーマン:ホームカミング』の撮影現場を取材した、現地メディアによるレポートから、再び気になる情報をお届けしよう。前回は、本作『ホームカミング』でのスパイダーマンのオリジンについてご紹介したが、今回はヴァルチャー(マイケル・キートン)率いるヴィラン・チームの続報だ。その細かい設定や、過去のマーベル・シネマティック・ユニバース作品との繋がりを、キートンやプロデューサーが新たに語ってくれている。

なおヴァルチャーの設定については、先日、その詳細が明らかになっている。本記事では、なるべく情報の重複を抑えているため、あらかじめ以前の記事をご一読いただけると幸いである。

【注意】

この記事には、映画『スパイダーマン:ホームカミング』のネタバレとなりうる情報が含まれています。本編に関する情報をなるべく遮断されたい方はご注意ください。

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ヴァルチャーの「普通の人」設定に続報あり

『スパイダーマン:ホームカミング』でメインのヴィランとなるのは、マイケル・キートン扮するエイドリアン・トゥームス/ヴァルチャーだ。ニューヨークで“ヒーローたちの戦いの後片付け”を仕事にしていた彼は、その仕事をトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)が手がけるダメージ・コントロール社に奪われたことで激昂するという。

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の“庶民”であるトゥームスがヴァルチャーへと変貌する目的を、プロデューサーのエリック・ハウザーマン氏はこう語る。

「トゥームスは家族のいるビジネスマンで、子どもの面倒を見たいと思っているんです。トニー・ソプラノ(ドラマ『ザ・ソプラノズ』の主人公)のようなメンタリティの持ち主ですよ。世界征服とか、政府を乗っ取るとか、アベンジャーズを倒すとか、そんな大それた妄想は抱いてなくて、彼は良い人生へのチャンスを手にしたいだけ。だから、武器を売って財を成しては、何かに目覚めてそれを止めて、ヒーローだと思われて、あろうことか“片づけ”で金を稼ぐトニー・スタークみたいな人間のことを思うと、不公平だと感じるんです。“なぜ俺はこんな仕事をやってるんだ、誰も傷つけてないのに!”って」

https://www.youtube.com/watch?v=DiTECkLZ8HM
https://www.youtube.com/watch?v=DiTECkLZ8HM

またマイケルは、自身の演じるキャラクターと、その社会性をこう分析している。

「彼は自分自身を被害者だと思ってるし、それはある部分で正しいことだ。あらゆるものを騙し取って、すべてを手に入れた上流階級の人間がいると、彼はそう信じてる。でも多くの人々は、一生懸命に働いても十分なものを得られない。それって、誰もが直面している社会情勢に似てると思わないか?」

とはいえ、ヒーロー映画のヴィランでありながら、家族を持つ父親であり、社員を抱える経営者でもあるという設定は、ときにキートンを大いに悩ませたようだ。マイケルは、ジョン・ワッツ監督と話し合いを重ねながら、トゥームス/ヴァルチャーのキャラクターを練り上げていったという。

「ジョンがキャラクターについての話をしてくれて、興味深いやり方を見つけたんだ。他の映画監督や悪役が、これまで選んでこなかったような方法だよ」

ピーター・パーカー/スパイダーマン役のトム・ホランドは、トゥームス/ヴァルチャーのキャラクターについて「脚本の第一稿から大きく変わったんだ。すごく良くなったよ」と話している。ただしマイケル自身は、「(トゥームスに)共感できるかどうかは、全編を観てもらわないと分からないな」と、あくまで慎重な姿勢を崩していない。

http://www.comingsoon.net/movies/features/833247-new-details-on-vultures-role-in-spider-man-homecoming?fullpage=1#/slide/1
http://www.comingsoon.net/movies/features/833247-new-details-on-vultures-role-in-spider-man-homecoming?fullpage=1#/slide/1

MCU作品とのリンク、ヴィラン・チームの関係性

劇中で、犯罪へと手を染めることを決意したトゥームスは、まず『アベンジャーズ』(2012年)に登場した異星人・チタウリのテクノロジーを入手して、ヴァルチャーの翼を造る。またComingSoon.netによると、新たな技術を開発すべく、トゥームスは戦闘の現場からさらに技術を盗むというのだ。ソーがマレキスと戦ったロンドンで、アベンジャーズとウルトロンが激突したソコヴィアで、キャプテン・アメリカがクロスボーンズと対決したラゴスで……。エリック・ハウザーマン氏は、ショッカー(ボキーム・ウッドバイン)の武器についてこう述べている。

「(ショッカーの)ガントレットは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の冒頭で、クロスボーンズがキャップをボコボコにしていたものです。ラゴスでガントレットを見つけた彼らは、改良を加えることで、空気圧で吹っ飛ばすだけでなく、強い衝撃も与えられるようにしたのです」

https://www.youtube.com/watch?v=DiTECkLZ8HM
https://www.youtube.com/watch?v=DiTECkLZ8HM

『ホームカミング』が、過去のMCU作品との間に、これほど深いリンクを仕掛けてくるとはいささか意外だが、これも『ホームカミング』がMCUに参入したことを強調する作戦の一環だろうか。これまでのMCUを未見の方には、『ホームカミング』を観る前に、せめて『シビル・ウォー』を観ておくことをお薦めしたい。

またマイケル・キートンは、トゥームス/ヴァルチャーと一味のメンバーの関係性をこう語っている。

「(チームは)トゥームスが必要としている人々の集まりだと思う。彼らを雇っているし、みんな誠実だしね。彼らは仲間で、志が同じなんだ。僕はティンカラー(マイケル・チャーナス)との関係が大好きでね。彼はすばらしいよ、とても愉快だ。ふざけてるし、スゴく面白い背景がある。ただ、愉快だけど、こうも思ったのさ。“これが彼らの関係なのかも。きっと、時々お互いにイライラしてる”って。たくさんアイデアはあったから、それからはこう言ってる。“さあ、やってくれ。俺のためにやってくれ。全部を好きにさせてほしい。俺のために”って。そんな関係を楽しんでるよ」

いわば『ホームカミング』に登場するヴィランは、社会に不満を抱く「普通の人々」のチームだということなのか……。なお現在、ショッカー、ティンカラーのほか、ローガン・マーシャル=グリーンもヴァルチャーの仲間を演じることが判明している(役柄は不明)。予告編でローガンと一緒に映っていたドナルド・グローバーも……もしかしてヴィランの一人なのだろうか?

果たしてヴァルチャー率いるヴィラン・チームは、どれくらいの規模でスパイダーマンと戦うのだろうか。ストーリーに深く関わるトニー・スターク/アイアンマンが、本編でどれくらい活躍するのかも未知数とあって、今は情報を知るほどに気になるポイントが増えていくような状況だ。

映画『スパイダーマン:ホームカミング』は8月11日公開予定

Sources: http://screenrant.com/spider-man-homecoming-vulture-motivations-explained/
http://www.cbr.com/spider-man-homecoming-damage-control/
http://collider.com/michael-keaton-spider-man-homecoming-interview/
http://www.comingsoon.net/movies/features/833247-new-details-on-vultures-role-in-spider-man-homecoming#/
http://collider.com/spider-man-homecoming-things-to-know/
Eyecatch Image: https://www.youtube.com/watch?v=DiTECkLZ8HM
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Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。