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今度のジョーカーはどうなる!?『スーサイド・スクワッド』版ジョーカーに期待できる理由VS期待できない理由

公開を910日に控え、次々に新着情報や映像が入ってきている『スーサイド・スクワッド』。アメコミ映画ファンにとっては、公開日が待ちきれないことだろう。

しかし、こんな不安はないだろうか?

「で、ジョーカー、大丈夫なの?」

そう、なにしろ『ダークナイト』(’08)でヒース・レジャーが演じたジョーカーは、すさまじい狂気と恐怖を観客に刻みつけた。その演技とキャラクター造詣は絶賛され、アカデミー助演男優賞を受賞。しかし、レジャー本人はすでに勝ち逃げ・・・すいません、他界した後で、伝説化に拍車をかけた。

ジョーカーのスクリーン登場はそれ以来、実に8年ぶり。果たして、我々は新たなジョーカーに期待していいのか、よくないのか。両方の目線から検証する!まずは、期待できる理由から!

期待できる理由1ジャレッド・レトが演じているから

映画ファンにしてアメコミファンの多くは、新ジョーカーのキャスティングを知って、まずは安心したのではないだろうか。これが顔だけの青二才や、自分大好きの性格俳優だったらもっとバッシングが起こっていただろう。しかし、ジョーカーに選ばれたのは、華もあり、演技力もあり、適度にクセもある(←これ重要)ロッカー兼俳優、ジャレッド・レトだった。

しかも、レトといえば、前出演作『ダラス・バイヤーズ・クラブ』(’13)の演技が大絶賛され、アカデミー賞まで獲った旬の人。少なくとも、名前負けや演技力不足に悩まされることはなさそうだ。

https://theriver.jp/jared-leto-jorker/

期待できる理由2作品自体のテイストが『ダークナイト』と全然違うから

ジャレッド・レトのジョーカー

『スーサイド・スクワット』の予告編を見る限り、かなり刺激的でブラックユーモアの効いた内容になっていることが予想できる。これは、シリアスでリアリズム重視の『ダークナイト』(ていうか、クリストファー・ノーランが関わる映画全て)とは180度違う方向性だ。つまり、レジャー版ジョーカーとレト版ジョーカーも別物として楽しむことができるだろう。 

期待できる理由3原作にはむしろレトのほうが似てるから

joker

原作ファンなら分かってもらえるだろうが、実はレジャーよりもレトのほうが、コミック版ジョーカーに顔立ちが近いのである。無骨でどこかやぼったい(だが、それがいい)いかにもなオーストラリア顔のレジャーと比べ、面長で目力があるレトはジョーカーと特徴が一致している。そのうえ、コミックから離れた独自のリアリズム路線『ダークナイト』とは違い、『スーサイド・スクワット』ではばっちり原作寄りのメイクでジョーカーを造形している。レジャーはおろか、ティム・バートン版『バットマン』(’89)でジョーカーを演じたジャック・ニコルソンと比べても、なりきり度はナンバーワンだ。

 

我ながら、これで期待できない理由などあるのかと思うが、一応それも見てみよう。

期待できない理由1ハーレイ・クインのほうが目立ってそうだから

【朗報】ハーレイ・クインのスピンオフ、全員女版スーサイド・スクワッドを計画中

複数公開されているどの予告編を見ても、気になるのはハーレイ・クインのことばかり・・・特に男性陣はそうじゃないだろうか?ジョーカーなどのキャラと比べると実写にされる機会が圧倒的に少なかったハーレイ・クインだが、それだけに今回の登場は最大級のインパクトを持って迎えられるだろう。演じるマーゴット・ロビーのビジュアルもパーペキ!!これ、ジョーカーかすんじゃうんじゃない?という嬉しい不安は拭えない。 

期待できない理由2オーバーアクトの可能性があるから

30-SECONDS-TO-MARS
バンド『30SECONDS TO MARS』時のジャレッド・レト

ジョーカーのようなクセの強いキャラクターを演じるとき、俳優が陥りがちなのが自己陶酔によるオーバーアクトだ。そもそもロックバンドThirty Seconds to Marsでボーカルを務めるレトが、人並以上のナルシズムを持っていないわけがない!予告編では判断できないような、オーバーアクトを作中で振りまいていたとしたら…。いや、多くは語るまい。ただ、思い出すのは『バットマン フォーエヴァー』(’95)のジム・キャリーである。

期待できない理由3それでもやっぱりヒース・レジャーが好きだから

ヒース・レジャーのジョーカー

ここまで散々書いてきたのに理由それかよ、とツッコミが入りそうだが、それほどレジャー版ジョーカーのインパクトとリスペクトは素晴らしかったという証だ。映画史上に輝く悪役として、ノーマン・ベイツやハンニバル・レクターと肩を並べるほどの存在感。もはや、一キャラクターを超えた宗教的な崇拝すら集めているといっても過言ではない。

ジョーカーを演じるということは、そんな偉大すぎる幻影と闘うということ。どんな名優が演じようと、つきまとう障害なのだ。

 

期待できる理由も、できない理由も、共通しているのは作品への期待は最高潮、ということ。だから、公開までのドキドキ感をこんなことでも考えて埋めないと、胸がはちきれそうなのである!

Writer

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石塚 就一就一 石塚

京都在住、農業兼映画ライター。他、映画芸術誌、SPOTTED701誌などで執筆経験アリ。京都で映画のイベントに関わりつつ、執筆業と京野菜作りに勤しんでいます。