【ネタバレ解説】「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」最終話、デイモンがした衝撃行為の理由とは?
「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)の前日譚ドラマ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」シーズン1最終話では、デイモン(マット・スミス)がレイニラ(エマ・ダーシー)に対してある行為を行い衝撃を与えた。その場面でのデイモンの心理について、共同クリエイター/ショーランナーのライアン・コンダルが米Varietyに語っている。
この記事には、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」のネタバレが含まれています。
シーズン1のフィナーレとなる第10話。オットー・ハイタワー(リス・エヴァンス)から宣戦布告を受け、デイモンはドラゴンを出動させて翠装派と戦おうとする。しかしレイニラはこれに反対し、征服王の予言「氷の炎の歌」の話をして国の安定を保つ重要性を強調。しかしレイニラが「世継ぎになる時に父から聞いた」と言うと、デイモンはすぐさま彼女の首を絞め、激しく怒り出す。
デイモンが気性の荒いキャラクターとはいえ、なぜ急に自制心を失い、妻であるレイニラの首を絞めたのだろうか?その理由について、コンダルは次のように説明する。
「デイモンというキャラクターにとって驚きと衝撃の瞬間ですが、シーズン全体を通して準備されてきた事柄の一つだとも思います。デイモンは非常にカリスマ的で、とても興味深く複雑なキャラクターですが、同時に大きな闇を抱えることもできます。表層のすぐ下にくすぶっているのです。
あの時デイモンは、ヴィセーリスが自分を王位継承者として十分に信頼していなかったこと、そしてレイニラに簡単に語り継いだものを、自分には語らなかったことを知り傷つきます。色々な問題があったとはいえ、デイモンは兄を深く愛し信頼していました。でもヴィセーリスはそれ(氷と炎の歌)を共有しなかった。秘密にされてデイモンは傷つきました。彼はのちに見られるような悲しみや嘆きの代わりに怒りで反応し、レイニラに八つ当たりするんです。」
コンダルの説明からもわかるように、ヴィセーリスとデイモンの兄弟関係は非常に複雑だ。以前スミスがデイモンの不可解な行動について、「王位継承の野望とかそういうことではなく、大部分は兄が理由だと思う」と語っていたこともある。どうやらレイニラの首を絞めたのも、元をたどれば2人の歪んだ兄弟関係が原因だったようだ。
また、第9話の後にプロデューサーが最終話で「デイモンの別の側面を見られる」と予告していたのは、まさにこのシーンのことだろう。しかしコンダルは今までのデイモンの行動を振り返ると、そこまで意外性はないと考えているようだ。米Deadlineに次のように語っている。
「このシリーズの脚本家として、あのシーンにデイモンの新しい要素があるとは思いません。デイモンはシーズンを通して、あの瞬間に人々がそれほどショックを受けないような様々な顔を見せてきたと思います。根本的な危険は常に表面下に潜んでいて、それがたまたまあの瞬間に出てきたんです。」
たしかにデイモンは最初の妻レイアを殺したり、反逆者であるヴェイモンド・ヴェラリオンの首をはねたりと、何度もその残虐性を見せてきた。ヴィセーリスが征服王の予言を隠していたことに腹を立て、レイニラを攻撃したとしてもそこまで意外ではないかもしれない。そんなデイモンの暴力的な側面は、シーズン2で描かれる内戦‟双竜の舞踏”でさらに見られそうだ。
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