実写「ONE PIECE」チョッパー映像化の可能性を探る ─ ソニック&ピカチュウ路線か、アーロン同様の人間ベースか?

Netflix実写シリーズ「ONE PIECE」シーズン2では、麦わらの一味であるトニー・トニー・チョッパーが登場する。トナカイ人間のチョッパーはどう映像化されるのか。漫画での展開や過去の実例を参考に、その可能性を探ってみたい。
クリクリの目に愛らしい声、よく泣きよく笑いよく照れる純粋無垢なチョッパーは、麦わらの一味のなかでも特に人間味溢れるメンバー。ヒトヒトの実を食べたトナカイ人間だが、実を口にするまではトナカイだった。映像化にあたっては、実写とCG、ざっくり2つの選択肢があるだろう。
「ONE PIECE」シーズン1では、アーロンたち魚人キャラクターの演者にはメイクアップと人工補綴が施されるなど、人間ベースの実写再現だった。しかし、トナカイ寄りにも人間寄りにも形態変化できるチョッパーとなると、同様の再現方法が通用するとは限らない。そこで出てくる可能性がCGの活用だ。プロデューサーのスティーヴン・マエダは、チョッパーのCG実写化を「難しい課題」としており、ボトルネックが「予算」であることを示唆していた。
これまでにCGで映像化された動物キャラクターといえば、近年では『名探偵ピカチュウ』(2019)のピカチュウや『ソニック・ザ・ムービー』シリーズのソニック、『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』シリーズのロケットなどが挙げられる。しかし、チョッパーは原作の展開で四足歩行のトナカイ姿になったり、超巨大な姿になったり、形態変化が多い。CGで再現しようとすると、費用がかさむことになる。
予算を度外視してみると、『ジュラシック・ワールド』シリーズで採用された、生物を模したロボットを用いた撮影技術であるアニマトロニクスとCGを融合する方法や、『アバター』シリーズのように、センサーで読み取った俳優の動きにCGを加えるモーションキャプチャーでの再現も可能だろう。2019年には劇中に登場する動物たちがフルCGで蘇った“超実写”版『ライオン・キング』も話題となった。

それではCGを使わずに再現しようとすると、どうなるのか。2021年には、シカと人間のハイブリッドとして生まれた少年の冒険を描いたグラフィックノベル原作のドラマ「スイート・トゥース: 鹿の角を持つ少年」がNetflixから製作されている。演じたクリスチャン・コンベリーは2本の角や耳を取り付けて演技に挑んだ(コンベリーは「ONE PIECE」で少年時代のサンジ役を演じている)。同じ路線でチョッパーが再現された場合、人間味が非常に強い仕上がりになるだろう。また、演じるのが子役となれば、役者が成長することも考慮しなくてはならない。

世界的人気キャラクターというだけあり、チョッパーの映像化には大きな注目が寄せられている。「ONE PIECE」では上述の選択肢からいずれかが選ばれることになるのか、それともこれまでにない画期的な手法が発明されるなんてこともあるのだろうか。シーズン1で魚人たちのメイクアップを担当したジェイコ・スナイマンは、配信開始前にチョッパーの再現方法について訊かれた際、次のように答えていた。「興味深いですよね。魚人のアーロンたちと同じアプローチを引き継げれば良いなと思っています」。
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Source: Gamespot X