『ヒックとドラゴン』実写版アスティ役、アニメ版と異なる人種設定への意見に「気にしません」

大人気アニメシリーズ『ヒックとドラゴン』が実写化を果たす。主人公ヒックの父親ストイック役を、アニメ版で声優を務めたジェラルド・バトラーが実写で再演するなど、オリジナル版の世界観を大切にした映像化だ。本編では、アニメ版の物語や構図がしっかり実写化される。
そんな実写化にあたって、ヒックが憧れる少女アスティのキャスティングに一部で声が上がっている。アニメ版でアスティは蒼眼とブロンドヘアを持つ白人、実写版に起用されたニコ・パーカーはブラウンの瞳で、髪はダークブラウンの編み込み。確かに、アニメ版との印象とは異なるようだ。
大抵の場合、こうした変更は原作ファンからの反発にあうもの。しかし演じるパーカーは、批判が飛び出しても気にすることはないと英The Times of Londonに話している。「アニメ版が本当に大好きなファンがいて、忠実に再現したものを見たいという人がいます。そんな方にもぜひ見ていただいて、好きなところを見つけてほしいと思います。でも、インクルーシブや変化を毛嫌いしている人たちに関して言えば、私は気にしていません」。

「あなたの人生におけるほとんどの意見を大切に思っていないのだとしたら、私の髪についての意見だって大切にできません。もし気にしていたら、きっと気が狂ってしまう」と続けるパーカー。細かな指摘を全て拾っていては、前に進めないこともある。
そんなパーカーは、父親にオル・パーカー、母親にタンディ・ニュートンを持つ俳優一家の出身。とりわけアフリカ系俳優の母の仕事を小さい頃から見ていたことで、ハリウッドにおけるミックス人種や黒人の役割がいかに小さいかを実感した。自身の仕事を通じて、こうした環境の変化に貢献したいと語っている。
「一般的に女性にとって、新しい役どころや、オリジナルの作品、女性主導のストーリーなど、まだまだ長い道のりがあります。でも、すべては変わりつつあると思う。いつか、私もそうした変化のためになりたいと思います。」
実写版でのアスティの描き方について、ディーン・デュボア監督は作品を見てほしいと、米ScreenRantに話している。「ネットでは、彼女がブロンドじゃないとか、白人じゃないと文句を言う人たちがいます。とにかく彼女の演技を見てください。彼女の演技が全てです。それに、本作は神話の拡張として、この一族の全員が白人である必要がない。あらゆる場所から、ヴァイキングという名のもとに集結した戦士たちなのですから」。
実写版『ヒックとドラゴン』は2025年9月5日、日本公開。
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Source:The Times of London,Variety,ScreenRant