『スター・ウォーズ』カイロ・レン単独映画が進んでいたがディズニーに却下されていた ─ アダム・ドライバー発案、スティーブン・ソダーバーグ監督も参加

『スター・ウォーズ』続3部作のカイロ・レンことベン・ソロ単独映画が、実現まであと一歩のところまで進行していたことがわかった。企画を発案したアダム・ドライバーが、米APにて幻の映画について明らかにした。
カイロ・レンは『フォースの覚醒』(2015)『最後のジェダイ』(2017)『スカイウォーカーの夜明け』(2019)にて、ファーストオーダーを率いるヴィランとして登場。当初は「ダース・ベイダーの旅路を逆転させるストーリー」が意識されていたというが、作品が進むにつれて異なる形に。カイロ・レンは『スカイウォーカーの夜明け』のラストで、パルパティーンと戦うレイを救うために絶命している。
「『スター・ウォーズ』をまたやることに、ずっと関心があったんです」「あのキャラクターが大好きで、彼を演じるのも大好きなんです」と思い入れを語るドライバーは、カイロ・レンがダークサイドに堕ちる前のベン・ソロには、まだやり残したことがあると考えていたようだ。
実はドライバー、『スカイウォーカーの夜明け』公開から2年が経過した2021年以降、『スター・ウォーズ』新作の話し合いを続けていたという。ルーカスフィルムCEOキャスリーン・ケネディとも連絡を取り合うと、「素晴らしい監督と素晴らしい物語があれば、僕はすぐにお引き受けします」と非常に前向きな姿勢でいたというのだ。
この企画に参加したのは、『オーシャンズ』シリーズなどの名匠スティーヴン・ソダーバーグ。さらに、彼の監督作『ローガン・ラッキー』(2017)の脚本を担当したレベッカ・ブラントも加わり、企画のアウトラインが作成された。これがルーカスフィルムのケネディ、副社長のキャリー・ベック、最高クリエイティブ責任者のデイブ・フィローニに渡ると、彼らはドライバーらのアイデアを受け入れてくれたという。「気に入ってもらえました。僕たちのアングルと、なぜやるのかを完璧に理解してくれました」。
さらに、『ボーン・アルティメイタム』(2007)や『コンテイジョン』(2011)などのスコット・Z・バーンズに脚本作業が依頼された。「僕がこれまで携わった中で最高にイケてる脚本のひとつ」だったとドライバーが振り返っていることから、少なくとも草稿は書き上げられていたものと見られる。
ここまで順調に進んだように見える本企画は、いよいよ親会社ディズニーのボブ・アイガーCEOと、アラン・バーグマン共同会長の元まで登った。しかし、残念ながらそこで却下となってしまったようだ。「彼らは、ベン・ソロがまだ生きているとは考えなかった。そこで終わりました」。
プロジェクトタイトルは『ザ・ハント・フォー・ベン・ソロ』で、これは「ベン・ソロを追え」といった意味合いだ。「すごくクールだった」とドライバーは名残惜しそう。「でも、ダメになっちゃったので。だからようやくお話しできるようになったわけです」。
残念ながら幻となったカイロ・レン映画について、ソダーバーグもコメントを寄せている。「この映画を頭の中で作ることを楽しみました。ファンの皆さんにお見せできないのが残念です」。
『スター・ウォーズ』からは今後の映画作品として、『マンダロリアン・アンド・グローグー』が2026年5月22日に日米公開予定。2027年にはライアン・ゴズリング主演の『スター・ウォーズ/スターファイター』が公開されるが、いずれも続三部作とは直接関連しない。『スカイウォーカーの夜明け』の15年後を描く『ニュー・ジェダイ・オーダー』企画も存在するが、主にレイ(デイジー・リドリー)の物語となる上、現在は停滞状態にあると見られる。
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Source:AP