『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』監督、中国ファンの不満の声を汲み取っていた ─ 「ロケットは僕なんだ」想いも明かす
「映画制作とは、その半分はバランスを取るということなんだ」
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)で世界的ヒットを飛ばしたジェームズ・ガン監督は、香港で開催された「上海国際映画祭」に登場、香港映画から受けた影響から『ロケット・ラクーン』に込めた想いを語っている。この様子をレポートしたVarieryの記事は、ガン監督が前作の中国公開時にファンらの間で挙がった苦情の解決にSNSを活用して挑んでいたことも伝えている。
ロケット・ラクーンに込めた想い
同映画祭でガン監督は、「映画とは巨大なマシーンのようなもので、僕はその組み立てを手伝うんだ。半分はすごくパーソナルなもので、これはキャラクターについて。エモーショナルなものとロジカルなものの間で、バランスを取るんだ」と説明。その巧みなバランス感覚の中で、ジェームズ・ガン監督はとあるキャラクターに自分自身を投映し、エモーショナル性を高めたという。
「ロケットは僕なんだ。」
ガン監督は、ロケット・ラクーンの「疎外感や忘れ去られたような感覚」に自らの人生を重ねたと明かしている。こうした監督自身の感情移入が、「バランス」の構築に大きく役立ったことは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』を鑑賞したファンなら納得できるだろう。なぜなら同作では、あるキャラクターがロケットを自らと重ね合わせるシーンが、重要なものとして描かれているからだ。
更にガン監督は、取材地である香港が生んだ映画の才能から授かったインスピレーションも隠していない。「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の構成は、香港映画から来ているんだよ」とまで語っている監督によれば、同シリーズの息をもつかせぬ目まぐるしい展開は「何が起こるかわからない」香港映画に由来するものだという。
「ジョニー・トーやジョン・ウー、リンゴ・ラムのおかげで、僕は映画をもっと愛するようになったんだ。」
ガン監督、中国ファンの不満の声を知っていた
ジェームズ・ガン監督は、同映画祭にて初めて中国本土の地を踏むことになったが、実は中国における同シリーズのファンには以前から大きな関心を寄せていた。監督は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』一作目の中国公開時、その字幕に誤訳や不自然な点が多く、中国のファンが不満の声を挙げていたこと知っていた。そこで続編『リミックス』では同じ轍を踏むまいと、自らソーシャル・メディアを駆使して翻訳家と密に連携を取り、正しい字幕となるよう努めたということだ。
監督の献身的な善処の甲斐あって、中国における『リミックス』興行収入は前作の8,635万ドルに対し1億ドル越えを達成。これはアメリカ国外における全世界での現時点での累計興行収入、約4億7千万ドルのうち2割以上を占めているから、中国という国の市場規模がいかに大きいものかを物語っている。『リミックス』日本での興行収入が983万ドルという数字と比較しても明らかだろう。
※興行収入の数字はBox Office Mojo発表による
Source:http://variety.com/2017/film/asia/guardians-of-the-galaxy-james-gunn-in-china-1202475757/
http://www.boxofficemojo.com/movies/?page=intl&id=marvel2014a.htm
http://www.boxofficemojo.com/movies/?page=intl&id=marvel17a.htm
Eyecatch Image:https://www.amazon.co.jp/dp/B06XFRY1VK/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_IS5uzb6DAPZ08