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【ネタバレ】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』監督、終盤の重大展開語る ― 『ガーディアンズ~』監督に相談せず

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
© 2018 MARVEL

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、過去10年間マーベル・シネマティック・ユニバースに登場してきたキャラクターが一堂に会する一本だ。なかでも見どころは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのメンバーがアベンジャーズと対面するところで、登場シーンは同シリーズを手がけるジェームズ・ガン監督がすべて監修したという。

ところが本作のアンソニー&ジョー・ルッソ監督は、本編の展開についてはジェームズ監督にまったく相談しなかったそう。複数のインタビューからは、マーベル・スタジオの映画製作やルッソ監督の物語へのこだわりが見えてきた。

注意

この記事には、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

アベンジャーズ インフィニティ・ウォー
© 2018 MARVEL

https://www.youtube.com/watch?v=ET87HGsLEOk

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』監督に相談せず

待望のクロスオーバーとなった『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』において、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーは実に悲劇的な幕切れを迎える。サノスの娘であるガモーラはソウル・ストーンのために命を絶たれ、スター・ロードやドラックス、マンティス、グルートは「指パッチン」によって消滅してしまうのだ。残されたメンバーはロケット、そしてネビュラのみ……。

米国のポッドキャスト“Happy Sad Confused”に登場したルッソ監督は、ガモーラを劇中で死なせることについてジェームズ・ガン監督の確認を受けなかったことを明かしている。

ジョー: マーベルが素晴らしいのは、監督全員に自由を与えるところなんです。

アンソニー: 僕たちのほうで描きたいストーリーを用意して、マーベルにプレゼンするんですよ。あの選択(ガモーラを死なせること)に反対はありませんでした。ですから、ガモーラについてジェームズとは直接話し合っていません。もちろんケヴィン(・ファイギ)とは話し合いましたよ。

ここからわかるのは、マーベル・シネマティック・ユニバースはマーベル・スタジオがすべてを管理するものであって、監督が互いに干渉しないシステムが作られているということだ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズでジェームズ監督が果たした貢献は大きいが、キャラクターの扱いはマーベルが全権限を握っているというわけである。

ジェームズ監督は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』において、ガーディアンズのせりふを改訂したり、脚本を一部執筆するなど本編に深く携わっている。ただし仕事の範疇はキャラクターの描写や登場シーンの雰囲気をコントロールするのみで、物語の展開には関わらなかったようだ。スター・ロードがガモーラを撃つシーンに変更を提案していたことも知られているが、これもストーリーを左右する変更ではない。

マーベルに「聖域は存在しない」

本作のクライマックスでは、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのみならず、スパイダーマンやドクター・ストレンジ、ブラックパンサーといった顔ぶれが次々に消滅する。彼らが今後どうなるかはわかっておらず、二人は現時点で「甦りません、死にましたから」という態度を貫いているのだ。

しかし米Comicbook.comのインタビューにて、アンソニー監督は「ここから物語がどう転がっていくかを話せないので、多くを語れないんです」とも述べている。

アンソニー: すべての選択はストーリーを判断材料にしています。この映画だけでなく、これまでキャラクターが進んできた道のりや、ここまでのMCU全体から考えていますね。2本の映画(編注:『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』および『アベンジャーズ4』)は集大成ですから。言えることは、とにかく物語に焦点を絞って決断しているということです。
マーベルは決して本末転倒になることをしない。いつもクリエイティブな決定が先にあって、どうやって奇跡を起こすのか、ビジネスのレベルでどう成功させるのかは後から見つけていくんですよ。

先述のポッドキャストにて、ジョー監督はこのようにも述べている。

ジョー: (『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』から)僕たちが映画を4本撮れたのは、マーベルがそれぞれの作品に必要なものを認めてくれたから。聖域は存在しないんです。彼らはリスクを選ぶし、リスクを選ぶのが上手になっている。『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)、『ブラックパンサー』(2018)、そしてこの映画という流れがそのことを示していますよね。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を執筆した脚本家チームは、つづく『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』について「みなさんが思っているような展開にはなりません。みなさんの予想とは異なる映画です」語っている。世界中のファンは、まだまだ彼らの掌の上で踊らされることになりそうだ……。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国の映画館にて公開中。『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』は2019年4月26日(金)米国公開予定だ。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/

Sources: HSC, Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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