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【特集】スパイダーマン、早くも最凶悪役と対面 ― 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』アイアンマン師匠のOJT訓練が超ハードな模様

©Marvel Studios 2017. ©2017 CTMG. All Rights Reserved.

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)において、ともすればピーター・パーカー/スパイダーマンほど熱望されたヒーローはいなかったかもしれない。
映画『スパイダーマン』3部作と『アメイジング・スパイダーマン』2部作を経て、そして権利の壁を乗り越えて、世界一有名なマーベル・ヒーローは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でその仲間入りを果たし、単独映画第1弾『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)で初めての冒険に挑んだ。

若く、幼く、フレッシュな高校生ピーター・パーカーと、同じくかつてないほど若いメイおばさん。過去の映画版でも描かれた、有名なオリジン・ストーリーは大胆に省略。明らかな新機軸を打ち出したMCU版スパイダーマンは、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で早くも史上最凶のヴィランと対決することに……。本記事では、若い“新人ヒーロー”が直面する脅威の予感に迫りたい。

注意

この記事には、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『スパイダーマン:ホームカミング』のネタバレが含まれています。

アイアンマン師匠のOJTトレーニング、ハードすぎる説

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』においてスパイダーマンがヒーロー同士の戦闘に加わったきっかけは、トニー・スターク/アイアンマンが“助っ人”を必要としたためだった。オンラインに投稿された映像から、トニーはクイーンズに住む高校生、ピーター・パーカーをスカウト。お手製のスーツではなく専用のスーツをこしらえて、キャプテン・アメリカを止めるための戦いに導いたのである。この戦闘でスパイダーマンはその実力と饒舌さを存分に発揮し、バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーやサム・ウィルソン/ファルコンのほか、巨大化したアントマンを倒すことにも成功している。
しかし街中で活動する高校生をスカウトしてアベンジャーズの内部抗争に放り込むとは、アイアンマン師匠のオン・ザ・ジョブ(OJT)トレーニング、初っ端からなかなかハードなのでは……。

つづく『スパイダーマン:ホームカミング』で、ピーターはエイドリアン・トゥームス/バルチャーらの企む悪事を止めようと奔走。トニーに助けられたり怒られたりしながらもヒーロー活動や高校生としての生活と格闘し、今回の映画版には登場しない「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉を身をもって味わい、ヒーローであることの厳しさを知り、そして高校生の少年としての成長を遂げたのである。トニーによって認められたピーターは新たなスーツを受け取らず、自分の生活や自分自身のヒーロー活動へ戻っていく。

スパイダーマン:ホームカミング
『スパイダーマン:ホームカミング』より © 2017 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved. | MARVEL and all related character names: © & ™ 2017 MARVEL.

そんなピーターが、どのような経緯で『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に参加するのかは分かっていない。ただし予告編などを見るかぎり、彼は『スパイダーマン:ホームカミング』で受け取らなかった新たなスーツ“アイアン・スパイダー”を着用して戦いに臨むほか、トニーと再びタッグを組み、さらにはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々と対面することになりそうだ。

アンソニー・ルッソ監督は、トニーとピーターの二人について「ユニークな師弟関係」と話し、本作でもその関係をさらに発展させていることを明らかにしていた。なにせ今回戦う相手は同じヒーローでも、自らの生活のため悪事を目論む同級生の父親でもない。インフィニティ・ストーンを求めて宇宙からやってくる最凶ヴィラン・サノスなのである。アイアンマンとスパイダーマンの関係や戦いぶりに変化が生じることは必定だろう。
ちなみにアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』における二人の関係に、どことなく不穏な示唆を与えている……。

「マーベルは気が利いてますよね。“パーカーとスタークはいいぞ”ってことで、(本作でも)二人をできるかぎり近づけようとしている。ただ、自分の監督下でエンジンを全開にしてるヤツがいる時には、彼らを厳しい状況に導く責任もある。それが実り多い結果を生みますから。」

やっぱりアイアンマン師匠のOJTトレーニング、今回も相当キツいことになるのかも? がんばれ、スパイダーマン……!

ドクター・ストレンジとの新タッグ、そして…?

予告編やスポット映像にもみられるように、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ではドクター・ストレンジとの新タッグも見どころだ。種類の異なる、しかし揃って軽やかなユーモアセンスの持ち主とあって、アクションのみならずキャラクター同士のやり取りも楽しみである。

スパイダーマン役のトム・ホランド、ドクター・ストレンジ役のベネディクト・カンバーバッチには、イギリスの俳優にしてMCUではニューヨーカーを演じているという共通点がある。ジョー・ルッソ監督に「二人の相性を活かしたいと思った」言わしめるほどのコンビネーション、一体どんなものになっているのだろうか。ちなみにトムとベネディクトは本作以降の再タッグにも前向きで、なぜか日常系スピンオフ作品への熱意を語っている……。

ちなみにトムは、『ブラックパンサー』(2018)で観客の心を掴んだティ・チャラの妹シュリとの共演にも興味を示していた。さて、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で念願の対面なるか?

トム・ホランド

©THE RIVER

1996年生まれのトム・ホランドは、2008年、弱冠12歳にして俳優デビューを飾っている。ダンスの才能を注目されたトムは、舞台『ビリー・エリオット・ザ・ミュージカル(Billy Elliott the Musical)』で2010年までタイトルロールを演じたのだ。
その後、スタジオジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』(2010)のイギリス版にて、日本では神木隆之介が演じた翔役の声を担当したのち、映画『インポッシブル』(2012)や『わたしは生きていける』(2013)、クリス・ヘムズワースと共演した『白鯨との闘い』(2015)などに出演。スパイダーマン役を得た後も、『ウィンターストーム 雪山の悪夢』(2016)や『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』(2016)、『レジェンダリー』(2017)など幅広い作品で活躍している。

今後はベネディクト・カンバーバッチ共演の『カレント・ウォー(原題:Current War)』や「スター・ウォーズ」新3部作のデイジー・リドリーとダブル主演するSF映画『カオス・ウォーキング(原題:Chaos Walking)』が待機しているほか、ロバート・ダウニー・Jr.主演『ザ・ヴォヤージュ・オブ・ドクター・ドリトル(原題:The Voyage of Doctor Dolittle)』、アニメ映画『スパイズ・イン・ディズガイズ(原題:Spies in Disguise)』で声優を務める予定。

ちなみにトムは、秘密主義が徹底されているマーベル・シネマティック・ユニバースの秘密をうっかり喋ってしまいがちなことで知られる。なんと『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の撮影では、秘密漏洩を防ぐため、自分が戦う相手すら知らされないままアクションシーンの撮影に臨んでいたとか。
今やマーベル・スタジオは、トムのうっかり喋りがちな一面を利用して、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のポスターを「うっかり風」に公開したり、ネタバレ禁止を呼びかける特別映像ではトムの口にテープを貼ったりする遊び心を発揮している……。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。