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【特集】ドクター・ストレンジ、新たな冒険へ ― 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』個人戦と注目タッグに迫る

2016年『ドクター・ストレンジ』でマーベル・シネマティック・ユニバースへの初登場を果たしたスティーブン・ストレンジ/ドクター・ストレンジは、すでに大きな存在感と貫禄を示す重要キャラクターとなった。10年間の集大成となる映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に早くも参戦するストレンジは、いかなる戦いに身を投じていくことになるのか。彼が経験してきた冒険は何に繋がっており、本作ではどんな一面を観ることができるのだろう?
空前の超大作を控えた今、演じるベネディクト・カンバーバッチや共演者・スタッフの証言から、ドクター・ストレンジの「新たな冒険」に迫っていきたい。

注意

この記事では、映画『ドクター・ストレンジ』『マイティ・ソー バトルロイヤル』の内容に言及しています。

傲慢な天才医師、再びの危機へ

単独映画『ドクター・ストレンジ』に登場した脳外科医スティーブン・ストレンジは、その優れた頭脳と技術を信じ、傲慢に振る舞うところを隠しもしない男だった。そんな彼を変えるきっかけとなったのは、突如襲いかかった交通事故。麻痺によって思い通りに手を動かせなくなったストレンジを救ったのは、東洋のスピリチュアルの世界だった。エンシェント・ワンの導きによって魔術の能力を開花させていった彼は、強敵カエシリウスとの戦いの中で、人間としても“生まれ変わって”いく……。

彼の操る魔具「アガモットの眼」は、マーベル・シネマティック・ユニバース全体のカギを握る6種類のインフィニティ・ストーンのひとつ「タイム・ストーン」だ。図らずもストーンの持ち主となったストレンジは、インフィニティ・ストーンを求める闇の帝王を相手に、再び危機の中に身を投じることとなりそうである。
なにせカンバーバッチは「ストレンジは(物語へ)積極的に関わっていきます」と述べ、アンソニー・ルッソ監督はストレンジについて「インフィニティ・ストーンの所有者であるために個人的な課題が生まれるんです」語ったのだ。

『ドクター・ストレンジ』での初登場、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)へのゲスト出演を経て、ストレンジは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で3度目の活躍を見せる。スティーブン・ストレンジという人物の変化について、カンバーバッチは以前このように解説していた

「『ドクター・ストレンジ』の最後、ストレンジは非常に陰のある人間だったと思います。未熟ながらも、真のヒーローであることとは、自分の望みや利己的なところを犠牲にして無欲になること、誰かの役に立つことなんだと考える。[中略]ヒーローとしての顔が現れていました。(その後、『マイティ・ソー バトルロイヤル』では)ソーを引っ張り回してましたよね。」

利己的な人間から、他者のために行動する存在へ。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のストレンジも、こうした変化の延長線上にあるという。

「この映画でストレンジは、ほかのみんなと同じように、出来事のスピードによって常に不意を突かれるんです。[中略]けれども彼は、少しだけ(全員の)先を行って、ある洞察をもって存在していますね。もう少し成熟した者であろうとするんです。」

ところがストレンジが本作で直面する危機は、どうやらかつてないほど恐ろしいものとなりそうだ。カンバーバッチは「(本作のストレンジは)大丈夫じゃないかも。『ドクター・ストレンジ』『マイティ・ソー バトルロイヤル』を経て登場するわけですが、だからといって今後も出てくるとは限りません(笑)」述べてファンを震え上がらせたばかりである……。

アイアンマン、スパイダーマンとのタッグ

もちろん本作の見どころは、かつてなかったヒーローたちのチームアップにもある。予告編などの事前映像ではトニー・スターク/アイアンマンピーター・パーカー/スパイダーマンピーター・クイル/スター・ロードと協力することがすでに示されているが、その関係性がどんなふうに描かれるのかも注目したいポイントだろう。

アイアンマンとの「魔術対科学」コンビ

カンバーバッチは、ストレンジとアイアンマンの関係について「火花を散らすことになるでしょうね。しかし大きな目的のため、手を組むことになるんです」と述べながらも、「僕たちはちょっとした衝突をするんですが、それは悪いことじゃない。何もバラさずに言えば、この関係がどう展開していくのか、というのが面白いところ」だと話していた。

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
© Marvel Studios 2018

ストレンジとアイアンマンという“魔術対科学”のコンビは、言ってしまえば水と油の組み合わせだ。ただしアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.とカンバーバッチは、両者のコンビネーションについてこのように口を揃えてもいる。

ダウニー・Jr.: なんでもできる力を持っていて、ありとあらゆる結果を経験できて、一番成功しやすい計画を見つけてこられる。[中略](ストレンジが)そんな能力を持っているとわかったら、ただ長いこと衝突してはいられないでしょうね

カンバーバッチ: 一人は輝かしい実業家で物質主義者、テクノロジーの世界で自分の論理と科学を活かしてきた人物。対して私の方は、東洋の神秘主義に足を踏み入れ、宇宙やマルチバース(多元宇宙)を理解している。ほとんど交わるところがないと思われるでしょうが……あるんですよ

スパイダーマンとのニューヨーカー・コンビ

もうひとつ気になるのは、同じくマーベル・シネマティック・ユニバースには『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)で初登場したばかりのピーター・パーカー/スパイダーマンとの組み合わせである。ストレンジとスパイダーマンは、ともにニューヨークを拠点とするヒーロー。ストレンジはマンハッタン、スパイダーマンはクイーンズで戦っている。

スパイダーマンを演じるトム・ホランドとカンバーバッチの二人は、すでに映画『カレント・ウォー(原題:Current War)』で共演済み。その化学反応はジョー・ルッソ監督に「俳優二人の相性を(映画にも)活かしたいと思った」言わしめるほどで、インタビューでも息の合ったやり取りを見せている。予告編でもみられるコミカルな交流、またアクションの切れ味と、両方の面で楽しみになる組み合わせだ。そんな二人は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以降、どうやら日常を描いたスピンオフ映画での再タッグを希望しているようだが……?

ベネディクト・カンバーバッチ

ベネディクト・カンバーバッチ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28059440914/

ドクター・ストレンジ役のベネディクト・カンバーバッチは、1976年イギリス・ロンドン生まれ。2001年から舞台俳優として活躍し、高い評価を収めてきた彼を、世界中の誰もが知るスターへと成長させたのは、ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』(2010-)だろう。同作でジョン・ワトソンを演じたマーティン・フリーマンは、マーベル・シネマティック・ユニバースにて『ブラックパンサー』(2018)の活躍も記憶に新しいエヴェレット・ロス役を務めている。ストレンジとの共演が待たれるところだ。

スクリーンでのカンバーバッチは、スティーヴン・スピルバーグ監督作品『戦火の馬』(2011)や『裏切りのサーカス』(2011)、『それでも夜は明ける』(2013)、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014)など数々の話題作・注目作に数多く出演。大スターとなった現在も、テレビドラマや映画、舞台といった分野を問わずに活躍している。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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