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『ジェイソン・ボーン』は、世界を股にかけたド迫力鬼ごっこ・かくれんぼアクション!

映画『ジェイソン・ボーン』評価・感想

ボーンシリーズ5作目。
第3作目「ボーン・アルティメイタム」にて自分の過去 トレッドストーン計画の真相を知ったジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は、CIAに感知されぬよう行方を眩ましていた。
そんな彼の元に かつて行動を共にしたニッキー(ジュリア・スタイルズ)が現れ、トレッドストーン計画にはまだ秘密があったことを告げる。
すべての過去を 真実を手に入れるべく、ジェイソン・ボーンが今再び動き出す。

あなたもぼくも、何かしらの目的を持って生きていると思う。
だが、その目的を果たしたからといって人生が終わるわけではない。
何かに合格したから 勝ったから 卒業したから 就職できたから 結婚したからゴールというわけでは決してない。
その段階を経て、また新たなスタートが 挑戦が 生活が始まる。


アイデンティティー・スプレマシー・アルティメイタムにて過去を取り戻したボーンも同様だ。
記憶を 過去を取り戻した=ハッピーエンドとは限らない
明日からは楽しい毎日だ!なんていきっこない。

9年振りにスクリーンに映し出されたボーンの姿は孤独であった。
記憶を取り戻した今も、彼は苦しみの最中にいた。

殺めてきた者達の顔が頭から離れず、その心は罪悪感に囚われている。
CIAに見つかるわけにもいかず、一般人としての平穏な生活を送ることは許されない。
自らの肉体を 暗殺者として鍛え上げられたそのスキルを活かす術しか持たない彼は、誰かを傷付けることでしか生きてはいけないのかもしれない。

序盤で描かれるボーンの姿に只々胸が痛んだ。

本気を出せばカンタンにノックアウトできる男のパンチを 反撃もせずにひたすら浴び続ける姿は、自らを戒めているかのようであった。

今作のキーとなるのは、アルティメイタムにて描かれなかったトレッドストーン計画への志願理由

そこにはとても繊細なモノが伴う
冒頭からのボーンの描き方も相まって、「観るのがしんどくなりそうだなぁ」と思っていた。

が、今作の7割はアクション!と言っても過言ではない位にアクション推しであった。
3割はドラマで、7割は世界を股にかけたド迫力鬼ごっこ・かくれんぼアクションである。

充分見応えのあるアクションシーンではあるのだが、登場人物達の構図が過去作と変わらないために中々引き込まれない。

相手が何人いようとも無敵のジェイソン・ボーン
ボーンを陥れようとする者と、ボーンを手助けしようとする者が入り混じったCIA

人混み溢れる街中でのバイクシーンやカーチェイス
何人に追われようが ケガを負おうが、すべてノープロブレムなボーン
唯一彼を手こずらせるのは、暗殺者 アセット(ヴァンサン・カッセル)のみ
手こずらせ要因でしかないアセットがその内やられることも明白であり、ハッとさせられるようなスリリングな展開 ボーンのピンチは皆無。

肝心のドラマ部分に魅力ある葛藤が生まれることもなく どれもこれも過去作で見覚えのあるアクションシーンばかりのため、心惹かれるモノが全くなかった。

ボーンの帰還は嬉しい。
あのメインテーマをCMで聴く度にゾクゾクしていた。
けれど、こんな帰還の形を望んではいなかった。

せめて、暗闇から抜け出せずにいたボーンが光を見い出す道を描いて欲しかった。

序盤の彼と終盤の彼
その心に大きな変化は訪れただろうか
彼の心に救いはもたらされただろうか

原作者 ロバート・ラドラムの3作品を元にして描いた過去3部作。
彼の死後、エリック・ヴァン・ラストベーダーに引き継がれ 現在も小説にて描かれ続けているボーンシリーズ

続編が今後やるのかは知らないが、今作が新たなシリーズの幕開けなのだとしたら 準備回としては機能していた。
機能してはいたが、それでも物足りなさは否めない。

冒頭にあれだけの痛みを描いたのならば、物語の終わりにおいて救いを求めてしまうのが道理

ジェイソン・ボーンの心に焦点をあてて描き切って欲しかった。
続編有無などに囚われる必要のない、これ一本で納得させてくれるだけのモノを魅せて欲しかった。

Eyecatch Image:http://screenrant.com/jason-bourne-box-office-analysis/?view=all

Writer

ミヤザキタケル
ミヤザキタケル

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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