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『ジャスティス・リーグ』三部作構想あった ─ 「ザック監督には計画があった」サイボーグ役レイ・フィッシャー語る

ジャスティス・リーグ
© JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.

『ジャスティス・リーグ』の全米公開(2017年11月17日)から、早くも1年の月日が流れようとしている。バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグにスーパーマンらDCコミックスの超人が一堂に介した今作は、DC映画ユニバースにおける一種の最高到達点だ。ファンは夢の実写共演を喜んだ一方、心残りもあった。同作に至るDC映画ユニバースの世界観を方向性を決定づけたザック・スナイダー監督が、撮影途中で愛娘の死を心労に降板。そのため『ジャスティス・リーグ』には、ザックの意向が100%注がれることはなくなってしまったのだ。

これは、『ジャスティス・リーグ』の作風に快活さといった変化がもたらされただけでなく、後に続くユニバース展開プランにも大きな影響を及ぼした。中でも、ザックが構想していた『ジャスティス・リーグ』続編へ及ぼしたものは大きい。サイボーグ役で出演したレイ・フィッシャーが米ニュージャージーで開催の「Heroes and Villains Fan Fest」にゲスト登壇した際に語ったところによれば、ザック・スナイダーは『ジャスティス・リーグ』を当初三部作として構想していたのだという。

ジャスティス・リーグ
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『ジャスティス・リーグ』はザックの降板を受け、『アベンジャーズ』(2012)のジョス・ウェドン監督が引き継いだ。これにより生じた再撮影は、映画(あるいはシリーズ)の”最終結果”に如何に影響したか、という問いに、レイは「まだ終わったわけではないので、”最終結果”というものがどういうものか分からないのですが…」と断りながら、以下のように答えている。

「ザックは、サイボーグの今後に関する具体的な計画を抱いていました。おそらく、最初の時点(=『ジャスティス・リーグ』撮影時のこと)で、もう2本分くらいの量は撮影していたと思います。『ジャスティス・リーグ』については、絶対に三部作で考えていたんだと思いますね。彼のヴィジョンが結実したら、きっとサイボーグは、映画ユニバースの全カノンにおけるメタヒューマンの1人、あるいは最強のメタヒューマンになったかもしれない。」

ジャスティス・リーグ
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現時点で実らなかった”ザック・スナイダーが構想した『ジャスティス・リーグ』”を、ファンは“スナイダー・カット”と呼んで待ち望んでいる。時にはファンが署名活動を行ったり、米有力経済誌のThe Wall Street Journalが独自取材を通じてその謎を追うなど、スナイダー・カットの重要性はこれまでも表層化していた。しかし、その真相は出演陣にも分からないようだ。筆者が直接レイ・フィッシャーに尋ねたところ、「『ジャスティス・リーグ』でザックが撮りたかったものは、初期の段階で撮影されていたわけですね。つまり、その時の映像が存在するということは、それこそが”スナイダーズ・カット”というわけでしょう。ある・ないの話ではなくて、ファンがそれを観たがっているというところが肝ですね」と答えている。(ちなみに、この度の「Heroes and Villains Fan Fest」では、「わからない」と明言を避けている。)

レイ・フィッシャー / Ray Fisher
©THE RIVER

一連の発言を見ると、レイはザックの才能と情熱を心底尊敬していたようだ。サイボーグには単独映画化の企画も存在するが、レイはTHE RIVERのインタビューに対し「僕の理想としては、ザック・スナイダーに戻ってきて欲しい。夢ですね」と口にしている。『ジャスティス・リーグ』時に撮影されていたという未使用映像が日の目を見ることはあるだろうか?

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。