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『ジョーカー』世界的大ヒット、利益は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に匹敵 ─ 『ブラックパンサー』超えの可能性も

ジョーカー
TM & © DC. Joker © 2019 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited and BRON Creative USA, Corp. All rights reserved.

ホアキン・フェニックス主演、DC映画『ジョーカー』の世界的大ヒットによって、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『ブラックパンサー』(2018)に並ぶ利益がワーナー・ブラザース側にもたらされるようだ。米Deadlineが報じている。

米Box Office Mojoによると、『ジョーカー』は2019年10月22日(米国時間)時点で、米国興収2億5,382万278ドル、海外興収4億9,130万ドルを記録。全世界累計興収は7億4,512万278ドルと、R指定作品、かつ中国での劇場公開がなされていない作品としては異例の大ヒットを継続中だ。日本国内でも、2019年10月4日(金)の劇場公開後わずか19日間で国内興収30億円を突破している。

今回の報道によると、『ジョーカー』が現在の勢いを維持したまま興行を続け、世界興収9億ドルを突破した場合、少なくとも4億6,400万ドルの利益が生じるとのこと(テレビ放送やソフトのリリースによる利益まで含む)。これは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の利益に匹敵する金額だとされており、もしも9億ドルを軽やかに超えた場合、『ブラックパンサー』の利益額である4億7,680万ドルを超える可能性すらある。なお『ジョーカー』の利益額は、すでに『アクアマン』(2018)や『ヴェノム』(2018)、『デッドプール2』(2018)、『ワンダーウーマン』(2017)といった話題作を上回る見込みだ。

なぜ、世界興収20億ドルを突破した『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と、その約半分の興収成績でゴールを迎えるとみられる『ジョーカー』の利益額が同等になるのか。ここには、『ジョーカー』がヒットするかどうかを懸念したワーナーが、コストをなるべく抑えて映画を製作したという背景がある。『ジョーカー』の製作費は6,000~7,000万ドル程度、全世界でのP&A(フィルム現像・広報宣伝)費は1億2,000万ドルと伝えられているのだ。これに対して、『インフィニティ・ウォー』の製作費は『ジョーカー』の約5倍にあたる3億2,100万ドルといわれている(P&A費は不明)。

ちなみに、『ジョーカー』についてトッド・フィリップス監督の提案を受けたワーナーは、自社のみで製作のリスクを背負うのではなく、Village RoadshowとBron Studiosと出資を分配するという選択を採っている。Deadlineによると、ワーナーが全体の50%、VillageとBronが25%ずつという内訳で『ジョーカー』に出資しているとのこと。したがって本作の利益は各社に分配されることになるわけだが、これほどの大ヒットになることを、きっと当時は誰も想像していなかったに違いない。

映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)より全国公開中

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Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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