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『ジョーカー2』レビューと興収、ともに苦戦スタート ─ アメコミ映画史上最低スコア、世界が混乱する問題作に

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ
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衝撃作『ジョーカー』(2019)の続編『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は2024年10月4日に米公開されたが、興行収入とユーザーレビューで苦戦を強いられているようだ。

米国内の初週末興収は4,000万ドルに留まった。前作『ジョーカー』初週末9,620万ドルから半分以下となるパフォーマンスだ。

これは、『ザ・フラッシュ』(2023)の5,500万ドル、『マーベルズ』(2023)4,611万ドルを下回る成績ともなる。今年のコミック映画『デッドプール&ウルヴァリン』は初週末2億1,143万ドルで、明暗が分かれる形となった。

製作費は2億ドル。現時点で全世界累計興収は1億2,110万ドル。「日本と中国での公開はこれからだが、誰も大きく跳ねるとは期待していない」と米Deadlineは記している。

レビュー評価も優れない。米Rotten Tomatoesでは批評家スコア33%、観客スコア30%とともに不支持(本記事時点)。一般観客の出口調査に基づくCinemaScoreはD評価で、これはコミックブック映画としては史上最低スコアである。

Varietyには、公開初夜に米大手シネコンで鑑賞を行った映画ジャーナリストによるコラムが掲載。劇場では空席が目立っていたこと、マーベル映画やDC映画の上映時にみられるような“ファンボーイ”が見当たらないことや、上映中も観客たちに集中力や落ち着きがなく、入退場を繰り返していた様子などが報告されている。

『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は、孤独な弱者アーサー・フレックスが狂気の犯罪王ジョーカーとして覚醒する様を描いた『ジョーカー』からの続編。監督トッド・フィリップスは、前作で崇められたジョーカーの悪性をこの続編で自ら否定し、ある種の社会的責任感をもって後始末をつけることに終始した。

海外の批評家レビューは真っ二つで、「5年前に築いたレガシーを粉砕している」とする声もある。米Rotten Tomatoesの観客レビューでは、「酷かった、お金を返して欲しい」「期待していたものと違い、とてもガッカリさせられた」との声と、「期待していたもの、望んでいたものと違うからこそ素晴らしい」「ジョーカーとハーレイの既知の物語をひっくり返し、新たな風をもたらした、1作目とのつながりも完璧な映画だ」と絶賛する声とが入り混じった、まさにジョーカーらしい混沌さを見せている。

『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は2024年10月11日、日本公開。

※記事初出時、『マーベルズ』興行収入の表記に誤植がありました。お詫びして訂正致します。

Source:Box Office Mojo,Deadline,Rotten Tomatoes,Variety,

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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