2019年12月8日に逝去した、ラッパー・シンガーのJuice WRLD（ジュース・ワールド）による、没後初の新曲「Righteous」が世界同時リリースとなった。あわせて、ミュージックビデオも公開されている。

「Righteous」はJuice WRLDの没後初のシングルであり、米ロサンゼルスにある本人のホームスタジオでレコーディングされたもの。依存症のサイクルがあることを理解しながら、セルフメディケーションを通じて、自分の中に存在する不安感や、それを鎮めようとすることについて歌ったリリックとなっている。

ミュージック・ビデオでは、Juice WRLDのレコーディング風景やパフォーマンスの様子が映し出されるほか、アニメーションとなったJuice WRLDが自身の中に潜む悪魔と闘う姿が描かれている。アニメーションを手がけたのは、これまでリル・ヨッティやトーリー・レインズなど名だたるラッパーをアニメーション化してきたトリスタン・ザミットだ。

今回のリリースに先がけて、Juice WRLDのマネジメントから、本人のSNSを通じて以下の声明が発表されている。

「Juice WRLDは、人生を音楽づくりに捧げた多才なアーティストでした。だからこそ、彼の未発表の音楽をどう世界と共有するべきか、とても悩みました。彼の卓越した才能と精神に光を当てながら、ジュースのファンに対する愛情を尊重することが、私たちにとっては最も重要な課題だったのです。

今週のはじめに、ジュースの母であるカーメラ・ウォレス氏は、グレードAとインタースコープ・レコードによる追加支援を受け、チャリティ基金“Live Free 999 Fund”を発足されました。そして今日、ジュースがロサンゼルスのスタジオで生み出した楽曲“Righteous”をリリースします。この新曲を楽しんでいただけること、そしてジュースの精神が生き続けることを願っています。皆さんの健康と安全をお祈りしています。

カーメラ・ウォレス、ジュースの家族、そしてグレードAのチームより愛を込めて。」

ウォレス氏によるチャリティ基金「Live Free 999 Fund」は、息子の名誉を称え、若者の支援を目的として設立されたもの。基金の設立にあたり、ウォレス氏は以下のようにコメントしている。

「若者が共感できる問題や悩みなどを歌ったジャラドの音楽は、世界中の若者の心に届きました。私は彼の依存症、不安感、うつ病との闘いを知っていましたし、問題についてはいつも話し合っていました。彼は、自分を苦しめる悪魔から解放されたいと強く願っていました。ジャラドがこの世を去った時、私は彼が戦ってきた心の病を、同じ境遇にいる世界中の人々と共有し、出来るだけ多くの人を助けたいと決意しました。オピオイドやそのほか薬物依存症についての正しい知識、予防・治療への道筋を提供することで、傷ついている人々を助けることが私の願いです。ジャラドの音楽が多くの人々を救ったように、この基金がこの先何年にも渡って世界中の人々を救うことができればと望んでいます。」

Juice WRLD「Righteous」