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『ジャスティス・リーグ』米国試写より最速感想到着!「DCにとって力強い前進」「ヒーローが最高」「完璧ではない」

ワーナー・ブラザース/DCコミックス作品『ジャスティス・リーグ』の試写が米国にて行われているようだ。いち早く本編を観たメディア関係者たちが、その感想を次々とSNSにて伝えている。

DCユニバース作品を牽引してきたザック・スナイダー監督の途中降板、『アベンジャーズ』(2012)を手がけたジョス・ウェドンの登板など話題に事欠かなかった本作は、いったいどんな作品に仕上がったのだろうか? 一部報道では『ワンダーウーマン』(2017)並みの完成度ともいわれていた『ジャスティス・リーグ』の全貌を、ほんの少しだけ覗いてみよう。

DC映画にとって「小さいけれど力強い前進」

これまでTHE RIVERではヒーロー映画をはじめ、あらゆる作品の“最速感想”をお伝えしてきた。ところが、ひとことに感想といってもその方向性はさまざま。ほとんど失語状態で絶賛している者もいれば、ネタバレを避けながら細やかな分析を繰り出す者もいるのだ。

今回、『ジャスティス・リーグ』の感想で目立ったのは、映画の特徴や自らの私見を比較的丁寧に記述する人たちの多さである。思えば、DC映画とは「観たら何か言いたくなる」のが常だったではないか。Twitterの文字数制限が緩和されたことも含めて、観客の熱さがダイレクトに伝わってくる言葉の数々をお伝えしたい。

注意

この記事には、映画『ジャスティス・リーグ』のネタバレと捉えうる内容が含まれています。

ライトなトーン、そして怒涛のアクション

まずは“最速感想”の常連者である、Fandangoのエリック・デイヴィス氏とColliderのスティーブン・ワインストローブ氏による感想からお届けしよう。比較的甘口のコメントながら、本編のポイントをいつも鋭く突いている二人だ。

「『ジャスティス・リーグ』は『バットマン vs スーパーマンジャスティスの誕生』(2016)や『スーサイド・スクワッド』(2016)よりも良い。ムダがなく、粋で、スーパーヒーローのアクションが詰まっているんです。明るい場面の多くを高く評価しますし、DCユニバース史上最高のアクションシーンもあると思います。あと、もちろんワンダーウーマンはピカイチでした。
お気に入りのDCヒーローが技を決めたり、最高のスゴいヤツであるところを見るために『ジャスティス・リーグ』を観るのなら、そういう場面をたくさん観ることができるでしょう。アクションがいっぱい、スーパーヒーローがスーパーヒーローであるシーンもいっぱいです。」

「DC映画は暗すぎると文句を言っていた人たちは、『ジャスティス・リーグ』で光を見ることになるでしょう。[中略]大切なことが2つあります。エンドクレジットの最後まで席を立たないこと、それからジェイソン・モモアのアクアマンが最高だということ。」

また経済誌Forbesのマーク・ヒューズ氏は、言葉少なくも「良かったし、すごく楽しかった。ファンだけでなく大勢の観客やファミリーに人気の出る作品になるでしょう」コメントしている

「完璧ではない」

3人の感想に共通して窺えるのは、『マン・オブ・スティール』(2013)や『バットマン vs スーパーマン』で一部に根づいてしまったであろう「DC映画は暗い」というイメージの転覆だ。ヒーローチームによるカッコいいアクションと、ジョス・ウェドンならではの明るいトーンは、どうやら作品にポジティブな効果を生んでいるらしい。

その一方で、Comicbook.comのブランドン・デイヴィス氏は本作を「完璧な映画ではない」という。やや否定的に聞こえるかもしれない言葉だが、そこには作品の持つさまざまな側面が浮かびあがっていた。

「『ジャスティス・リーグ』は完璧な映画ではありません。物語に欠陥があるし、CGのヴィラン(悪役)は洗練されていない
ただ、それ以上に重要なのは、ヒーローたちが良いということです。(ジャスティス・)リーグのメンバーは全員素晴らしくて、お気に入りを選ぶのが難しいくらい。
最初から最後まで、楽しさでいっぱいの作品です。」

同じく脚本やCGの粗、ヴィランの弱点を指摘するのは、Colliderのデニス・ツェン氏やGIZMODOのジャーメイン・ルシア氏である。

「『ジャスティス・リーグ』はストーリーテリングやキャラクター造形が薄いにもかかわらず、多くの時間を楽しませてくれました。『バットマン vs スーパーマン』よりも楽しく、ユーモアがあって温かい。ただし、製作時間がまったくなかったように思われるシーンもいくつかありました。」

「『ジャスティス・リーグ』はいいぞ。物語は雑で、タメは効いていないし、ヴィランも最高じゃない。それでもヒーローたちは最高だし、愉快だし、驚きのキャラクター・ワークも印象的なんです。大好きな映画ではないけど、(ユニバースの)将来へ期待するには十分なものがありましたね。」

激アツの絶賛意見も

もちろん本記事の前半で触れたように、『ジャスティス・リーグ』には一般の観客に広く訴求するテイストとアクションが見事に備わっているらしい。それこそ、ザック・スナイダー&ジョス・ウェドンという映画監督ふたりの“いいとこ取り”ではないかと想像するのも容易だろう。
また、DC映画ユニバースでこうした作品が生まれたことを好意的に捉える意見も数多い。CinemaBlendのコナー・シュワードフェガー氏は、本作について「DCのビジョンは筋が通っている。すごく小さいが、とても力強い前進だ」評しているのだ。

それでは最後に、あまりに熱い感想を記してみせたケヴィン・マッカーシー氏の投稿をご紹介しよう。

結論:『ジャスティス・リーグ』は最高!
ザック・スナイダーの映画には、僕を夢中にさせ、涙を流させる瞬間がとてもたくさん詰まっている。アクションシーン、それからヒーローとしての見せ場が成功すれば、映画のエンジンは全開『バットマン vs スーパーマン』と同じく、問題はいくつかあるけれど、全体の体験を台無しにするほど大きなものではありません
今でも(ベン・)アフレックのバットマンは大好き。(マイケル・)キートン以来、僕にとっては最高のバットマン俳優ですよ。エズラ・ミラーとジェイソン・モモアも最高でしたね。
それぞれのキャラクターに、ヒーローとしての見せ場が等しく用意されていたのもすごく良かったです。バランスが良くて、シンプルで、楽しい映画ですよ。」

映画『ジャスティス・リーグ』は2017年11月23日より全国ロードショー。なにはともあれ、劇場で観てこそ真価を発揮する映画であることは間違いない!

Sources: http://collider.com/justice-league-reviews/
http://www.comingsoon.net/movies/news/902373-justice-league-reactions
©2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。