『ジョン・ウィック:コンセクエンス』トラッカー役、ヒース・レジャー版ジョーカーを徹底研究していた

映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』に登場した数多の敵の中で強い印象を残したのが、犬を相棒とする賞金稼ぎの男、トラッカー。演じたシャミール・アンダーソンは役作りにあたり、映画史に残る名ヴィラン、『ダークナイト』(2008)でヒース・レジャーが演じたジョーカーを参考にしたのだという。
懸賞金を狙うトラッカーは、ハイテーブルや殺し屋たちから姿をくらますジョン・ウィックを執拗に追った。パリのアパートでは、ドラゴンズブレス弾を武装したジョン相手に健闘を見せていた。
米Vultureによると、チャド・スタエルスキ監督はハル・ベリー監督作『ブルーズド ~打ちのめされても~』(2020)に出演していたアンダーソンを見てトラッカー役をオファーしたという。脚本を読んだアンダーソンは快諾し、出演が決まってから僅か2日後には飛行機に乗って製作現場に向かった。
突如演じることになったトラッカーは、バッググラウンドが読めない謎に包まれた新キャラクター。劇中でも“ミスター・ノーバディ”と呼ばれていたが、アンダーソンは役への色付けをするために、何をしたのだろうか。
「ジョーカーを参考にして、ヒース・レジャーの演技やあのキャラクターにどれだけワクワクしたかをたくさん研究しました。“彼(トラッカー)にはなぜ傷があるのか?、なんで犬を連れているんだろう、どうしてナップサックなのか、なんでこういう格好なんだろう”など。彼は転々としている男です。たくさん旅をするからポケットをたくさん持っている。そこまで着替えない男なんです。
映画で彼が開くノートも、家に持ち帰って、色々と書き込みました。ナップサックにも犬のおもちゃやおやつ、自分の名前入りのライターなど、私物を入れていました。DNAを入れ込みたかったんです。こうしたことがトラッカーに夢中になるための入り口になっているんじゃないかと思います。」
トラッカーはジョーカーほどの強烈な容姿ではないものの、素性が不明であるという点では共通している。レジャーはメソッド演技を取り入れてジョーカーへの圧倒的な憑依を見せたが、アンダーソンもキャラクターに没入する手段として自身の要素を取り入れることにしたのかもしれない。

ちなみにアンダーソンは、大作映画への出演は本作が初。周囲からは不安にならなかったのか?とよく訊かれたそうだが、むしろ「興奮し、ゾクゾクした」という。「肉体を駆使して、武術をやったり、アクション映画に出演したりすることは、伸び伸びと自分の力を証明する肥沃な土壌でした」。
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Source: Vulture