マイケル・キートン、『バードマン』をカムバック作扱いされたのは「大嘘」「くだらない」と思っていた

ティム・バートン版『バットマン』シリーズから『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)『シカゴ7裁判』(2020)までマイケル・キートンのフィルモグラフィはスター俳優に相応しいバラエティに富んでいる。しかしキートンは、2014年の映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』における周囲からの認識に、複雑なものを感じていたそうだ。GQのインタビューにて明かしている。
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督による『バードマン』は、ワンカットで撮影しているような長回しや、アントニオ・サンチェスの即興演奏のドラムソロにより、観客に没入感あるスリリングな映画体験を提供した意欲作だ。かつてヒーロー映画「バードマン」シリーズで主演した元スター俳優で、ブロードウェイの舞台に再起をかけるリーガン・トムソン役を演じたキートンは、この作品でゴールデングローブ賞をはじめとする数々の賞に輝いた。
キートン自身も、かつては『バットマン』シリーズでスーパーヒーロー役を演じた過去があル。『バードマン』以前は長く賞レースには絡んでこなかったため、役としてのリーガンがキートン本人とリンクする、メタ的視点で作品を捉えられる向きがあった。キートンは「私の大好きなとてもとても賢いヤツ(イニャリトゥ)が、これは”カムバック”の物語なんだよと言ったんです。私は『ぶっちゃけ、大嘘じゃないか』って感じでしたよ。」と、当時感じていた想いを率直に振り返っている。
「(カムバックについて)作り話をでっちあげることはできていたと思います。でもその話をするたびに、くだらないことをしているなと思っていました。まあでも、ビジネスだって分かっていますから。私はビジネスが好きだし。気にしませんよ。”なあ、これはビジネスなんだよ”って。」
キートンがカムバックという言葉に違和感を覚えるのも当然のことではある。『バードマン』の直前にも『ロボコップ』や『ニード・フォー・スピード』など常に映画出演を続けており、一線を退いたわけでもなければ休業していたわけでもない。事実と異なるところでカムバック扱いされるのは不本意だったに違いないが、「決してうろたえたりはしません」とキートンは極めて冷静であろうとしていたようだ。
「やけになったらおしまいですよ。絶対やけになったらダメ。不安でおろおろすることもあるでしょう、そうしたら”わあ、僕は今とても素晴らしいことをしているんだ”って考えましょう。でもやけになったらおしまいですよ。」
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Source:GQ