『ドリームプラン』会見レポート全文、ウィル・スミスやウィリアムズ姉妹らたっぷりトーク

それにウィリアムズ一家が僕らを迎え入れてくれたことにも感謝します。イシャやリンドレアが毎日現場にいて「彼女たちはこんなふうにラケットを握らないよ」とか「こんな色は絶対に着ない」とか言ってくれることは貴重でした。そこから得られたものは本当に大きかったです。僕らはこの映画の中に出てくる以上の家族を築いたんです。映画を観る人がその愛を感じてくれることを願っています。
──現場の楽しさが伝わってきますね。でも楽しいことだけではないですよね。みんなが実在の人を演じているのですから。ここでトニーに質問をしたいと思います。この人物を演じるにあたってあなたはどのような準備をされたのでしょうか?
トニー・ゴールドウィン:ザックの脚本で興味深いなと思ったのは、ポールのキャラクターへのアプローチの仕方でした。僕らの関係は厄介ですが、そこには遊びとお互いへの尊敬があります。僕はポール・コーエン本人に連絡を取り、長い会話を持ちました。そして、ビーナス、セリーナとの関係について直接聞いたんです。それに、どうやって子供に教えたのかということも。僕にはそれがわからなかったから。すごく難しいことだと思うんです。そうしたら彼は僕が予想していたことを言いました。それは、またもやなんだけど、家族なんです。彼は、心で接し、楽しくやると言ったんです。すごく厳しいことをやる中でも、彼は家族に愛を、そしてリチャードに敬意を与え続けました。彼と話すことで、ザックの脚本を読んで感じたことに確信を得られました。みんなも言っているように、彼らの間で意見の相違があったにしても、リチャードがわが子のためにやっているということに疑いの余地はないんです。彼の妻も。
僕にとっての撮影初日、現場で本当の家族みたいなこの人たちの様子を見て、感激しました。この姉妹たち。カメラが止まると、まるで磁石のように彼女らがくっつくんですよ。それを見て、「これはやりやすいな」と思いました。これはもう家族だと。ウィルとアーンジャニューも、その大きな部分でした。カメラが回っていても、いなくても、同じなんです。すべてがリアルなんです。
──ウィルへの質問です。あなたは過去にも映画で父親を演じたことがありますが、この映画に出て、自分自身の子育てについて考えたりしたのでしょうか?
WS:初めてのミーティングで、ビーナスがとても面白いことを言ったんです。「私たちはほとんど洗脳された」と。「テニスの練習をさせてもらえないことが罰だった」とね。あの両親は、彼女らをプッシュしなくてよかったんです。普通の親なら子供をけしかけるんだろうけど、そうじゃなかった。ビーナスとセリーナの中にはもう炎があるから、それに油を注げばよかったんです。何かの役を受ける時、僕はそれを探索の機会ととらえて、そこから何かを学びたいと思っています。今作からは、子供を監督するのでなく、子供の横に並ぶという、新しい子育てのやり方を知りました。これはすごく変わったコンセプトです。ウィリアムズ一家はそれを見事にやっていたんです。彼らにはルールがある。すばらしいルールが。その中心にあるのは、信念。そこからみんなで(ゴールに)向かっていく。だけど「お前はまだ子供だ。俺が正しい。俺の言う通りにやれ」ということはしない。すごく違うアプローチで、目が覚めるようでした
僕自身の父は軍隊にいたので、全然違いました。僕が幼い時、子供には意見を言う権利がありませんでした。子供は自分がやるべきことをやる。そのやり方にも良いところはある。でも、すごく違うと思います。
── ザックへの質問です。伝記映画では重要な出来事を出してくる必要があるかと思いますが、家族の話とその部分のバランスをどのように取ったのでしょうか?
ザック・ベイリン 脚本:僕らはこれをみんなが知っているスポーツのシーンを集めたようなものではなく、引き込まれる家族の映画にしたかったんです。この家族を本当に知ることができる映画。そのためには親密な瞬間が必要で、それは最初から決めていたことでした。そして、リサーチをし、小さなことをどんどん知っていくうちに、この映画は「これを達成した家族の話」ではなく、「これを達成した、この家族の話」になっていったんです。
僕は、最初の脚本にも結構満足していました。だけど、その後、イシャ、ビーナス、オラセンとミーティングを持ち、「寝室での様子はどうだったのか」「食卓を囲む様子は」「リチャードと一緒にバンに乗っている時は」というようなことを聞いていくうちに、息吹を得ていきました。グレイテスト・ヒッツみたいなことをやるのでなく、すべての瞬間の内側を見るのが僕らの狙いでした。