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『キッチンの神様』レビュー ショールームのふとしたきっかけで動き出す物語【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016上映作品】

『キッチンの神様』あらすじ
システムキッチンのショールームで働くさおりは、バツイチのシングルマザー。仕事と子育てで多忙な毎日を送っている。そんなある日、老夫婦からキッチンリフォームの依頼を受ける。
様々な人の思いが詰まったキッチンが生む物語
今作はショールームでの依頼人の会話という、仕事の一場面から物語が動き出す。やや焦り気味になっているさおりのミスや上司からのアドバイス、本作で重要な役割を担う老人・田口氏の希望を叶えるために奔走する様は、サクセスストーリーのような雰囲気を感じる。
一方、田口氏とのたどたどしい会話や、さおりと彼女の娘・七海ちゃんとの触れ合い、そしてクライマックスシーンなどハートフルな場面があふれていて、上記の印象と良いコントラストになっている。
淡々と進むストーリー展開も、安心して観ていられた。
元サラリーマンの監督らしい、仕事の気構えを感じさせる作品
『キッチンの神様』の監督である中根克氏は、電機メーカーのサラリーマンを辞めて映画界に飛び込んだという異色の経歴を持っている。
さおりと同じ境遇にあるお母さんはもちろん、新社会人にもオススメな作品だ。
『キッチンの神様』 (C)HASHIMOTO SOGYO Ltd.