『この世界の片隅に』、ウェス・アンダーソン監督の新作も!話題の「クラウドファンディング」って?

皆様は、最近よく耳にするようになった「クラウドファンディング」という言葉を知っていますか? この「クラウドファンディング」に参加することで、映画のエンドロールに名前がクレジットされるかもしれないと聞いたらどう思うでしょうか。
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。ソーシャルファンディングとも呼ばれる。 投資型の場合は、「小口投資家向けのオンライン専業の金融商品販売業者」と位置付けられる。
出典:Wikipedia
つまり、ざっくり言えば、提案者のアイディアを実現させるサービスなのです。「こんな商品を作りたい」「こんなイベントを実現させたい」「会社を設立したい」など、さまざまなアイディアをウェブ上で告知し、出資を募ることで、そのアイデアや考え方に賛同してくれた人々から資金を集めることが出来ます。
たとえば「こんな商品があったらいいけど、資金がないからつくれない」といった状況でも、クラウドファンディングを活用することで、実現も夢ではなくなるのです。

知っておきたい3種類のクラウドファンディング
クラウドファンディングは、出資してくれた人々に対するリターン(特典)によって、3つのタイプに分かれています。
- タイプ1:寄付型……名前の通り、出資額はそのまま寄付する形となり、リターンは得られません。被災地支援や、ボランティア活動といったプロジェクトが多いです。(参考サイト:「JAPANGIVING」)
- タイプ2:購入型……出資額によって報酬(特典)を得られるパターンです。プロジェクトが実現した際には、商品がもらえたり、そのほか様々な特典や権利を得たりすることができます。(参考サイト:「CAMPFIRE」「Makuake」)
- タイプ3:金融型……ある企業に出資し、そのリターンとして金銭を受け取ることができます。いわゆる投資に近いものです。(参考サイト:「Crowd Bank」)
実際に、このクラウドファンディングは映画の世界でも活用されています。その具体例をいくつか見てみることにしましょう。
ウェス・アンダーソン監督、新作をクラウドファンディング・サイトで告知
『グランド・ブダペスト・ホテル』や『ダージリン急行』などのウェス・アンダーソン監督は、クラウドファンディング・サイト“crowdrise”で、新作ストップモーション・アニメ“Isle of Dogs(犬ヶ島)”の製作を発表しました。
“crowdrise”は、米ハリウッド俳優エドワード・ノートンらによって設立されたオンライン・プラットフォームです。社会のために活動したい、社会をよりよくするためのアイディアはあるが資金がない……といった団体と、その思いを支える支援者を結ぶ役割をしています。
ウェス・アンダーソン監督が“crowdrise”で新作を告知したのは、マーティン・スコセッシ監督が設立したNPO“The Film Foundation”という、古い映画の補修・保存を行う組織への寄付を募るためでした。
今回の企画に出資すると、ロンドンでアンダーソン監督に会える、撮影現場を見学できる、新作に声優として出演できる、劇中に使用された人形をもらえるという豪華特典が1名に当たるほか、抽選でアンダーソン監督のサイン入りDVDがもらえるといいます。もちろんクラウドファンディングですから、100ドルでオリジナルTシャツがもらえるほか、10,000ドルで限定コンセプトアート、50,000ドルで上記の豪華特典を購入できる仕組みになっているようです。
クラウドファンディングの実施はひとつの宣伝にもなりますし、出資した側からすれば、出資額ぶん(あるいはそれ以上)のリターンを得ることができます。さらに自らの手で映画が製作される、活動も貢献できるというメリットを得ることができるわけです。
『この世界の片隅に』ヒットの裏にクラウドファンディング
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