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【独占】『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』監督への質問に返事が到着 ─ ファンの声に応えた、ここだけのメッセージ

KUBO/クボ 二本の弦の秘密 トラヴィス・ナイト監督
トラヴィス・ナイト監督 © 2016 TWO STRINGS, LLC. All Rights Reserved.

古き良き日本を舞台とした驚愕のストップモーション・アニメ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』が、ここ日本で大反響だこれを受けて、「日本のファンの声を聞きたい」とのトラヴィス・ナイト監督(スタジオライカ)の希望に応えるべく、THE RIVERでは読者の皆さんから「監督へのメッセージと質問」を募った。

お寄せ頂いた多数のメッセージや質問は、すべて英訳してトラヴィス・ナイト監督に届けさせて頂いた。制作陣が「日本へのラブレター」と語る『KUBO』を受け、その返事として届けた僕たちの声に、さらに監督が直々に返事を書いてTHE RIVERに贈ってくれた。監督から届いた返事の全てを、早速ご紹介しよう。瞬きするなら、今のうちに!

KUBO/クボ 二本の弦の秘密 トラヴィス・ナイト監督
トラヴィス・ナイト監督 © 2016 TWO STRINGS, LLC. All Rights Reserved.

@utatorihana_04さん:
クボや登場キャラクター達の表情・仕草・アクションがとてもリアルで、性格や心情が伝わってくるので感情移入でき、彼らのことが大好きになりました。映画の中に出てこないところで「このキャラクターについてこんな設定がある/こんな場面も検討していた」というものがあれば教えていただけますか?

監督からのお返事:
それぞれのアニメーターがそれぞれの作業を行って、ようやくパペットに命を吹き込むことができるんです。その中には、キャラクターの長いバックストーリーを構想するアニメーターもいますし、その他にもアクションや振り付けで感情を描写するアニメーターもいます。ライカでは、現実世界に実在し、本物の感情と本物の悩み、そして本物の喜びや悲しみを持った完全なキャラクターを創り上げるよう、大変な努力を行っています。いかなる瞬間にも、クボには無数の感情が確かに宿っています。これこそ、ライカのすべてのクルーたちが大変な努力を重ね、皆さんに共感して頂けるよう創り上げたものです。パペットたちはシリコン、木、毛などで作られていて、優れたアニメーターたちが命を吹き込んだものなのです。

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@shara_soujuさん:
サウンドトラックを聞いて、音楽と映像のタイミングがとても上手く合っている(クボ君や母上が強い力を発動する時の三味線の音ですら、楽曲の一部として含まれている)ことに驚きました。映像と音楽はどのような順番で作られたのでしょうか?映像が先or音楽が先?

監督からのお返事:
アニメーション製作は、音楽を挿入する前に全て済まされています。今作の場合、作曲家のダリオ・マリアネッリとの連携を密に製作を進めました。彼は映画『つぐない』(2007)でアカデミー作曲賞に輝いており、ライカ作品『The Boxtrolls』にもスコアを提供しています。だからライカとは親密な関係だったのですね。シーンを製作中の段階からダリオに送っていましたので、録音のずっと前からスコア製作に打ち込めたというわけです。

@Honzitu_Katuoさん:
映画館で「KUBO」の予告を観て、一目惚れしました!瞬きすらできないくらいの映像と、涙なしでは観られないストーリーに大変感動致しました…!本当に素晴らしい作品をありがとうございました!KUBO大好きです!
クボや母上、お爺様は三味線で折り紙や落ち葉などを操っていましたが、闇の姉妹はキセルから出る煙を操っていました。人によってそれぞれ操れるものが違うのですか?
また、クボが口から鯨のスープやお刺身をこぼすシーンはどのように撮影されたのか気になりました。

監督からのお返事:
ストップモーション・アニメは、毎秒24ものフレームから成り立っているんです…。アニメーターがパペットやプロップ(スープもそうですね)を動かしてショットを重ねていき、また僅かに動かしてまた撮影する、これをずっとずっと繰り返していくんです。このショットたちを通常速度で再生してやると、パペットが動いたりスープがこぼれたりといったイリュージョンを起こすわけですね。これは、優秀で、繊細で、芸術的なストップモーション・アニメーターが動かぬオブジェクトに文字通り命を吹き込む魔法。こうしてライカの作品は生み出されているんですよ。

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@SaanyanKuboさん:
素晴らしい作品ありがとうございます。KUBOの続編はあるのでしょうか?少し成長したクボちゃんも観たいし、少しラストも気になったので…

監督からのお返事:
KUBO/クボ 二本の弦の秘密』があなたに気に入って頂けて本当に嬉しく思います。ライカでは、作品の続編を製作していないんですよ。それぞれの作品が、スタジオが実現したかったものをパーフェクトに成し遂げたものとして成り立っているんです。

@mamiana384さん:
素晴らしい映画をありがとうございます。
二度見に行きました。一度目はストーリーをわくわくと鑑賞し、二度目は細かな表情や動きに注目してみました。クボが折り紙を拾いそこねる動きや生々しい顔の皺など驚くばかりです。どうやったらこんなに生きた動きや表情が作れるのですか?

監督からのお返事:
ライカは3Dプリンターやラピッド・プロトタイピング(編註:素早く試作品を作ること)を駆使して、メインのパペットたちの表情をプリントしました。おかげで、顔の上部と下部、二つのパーツに分けて作ることができたんです。それぞれの表情がごく僅かに異なっていて…、組み合わせによって無数の表情が作られるので、アニメーターがキャラクターの表現と感情に最も忠実なものを選び抜くことができたというわけです。

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@porisu_poriさん:
KUBO最高でした。わたしは日本人なのに、着物の着方もわからないし、お茶の点て方もよく知りません。もちろん三味線も弾けません。それでいいと思っていました。だけどKUBOを観て、日本には大切にしなきゃいけない文化がたくさんあることに気づきました。ありがとうございます。KUBOは私の宝物です。

監督からのお返事:
ライカのアーティストたちは、日本の芸術、文化、歴史、そして日本人の皆さんへ向けたラブレターとしてこの作品を紡ぎました。ですから、あなたの文化に受け入れていただけて、私たち一同本当に幸せに思います。


映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は、鑑賞したファンからの熱い声に応えるべく、当初の予定よりもロングラン上映を敢行。2018年の年明け後もしばらくは引き続き劇場上映が続けられるそうだ。古き良き、そして美しき日本の情景を鮮やかに描いた本作は、大切な人と一緒に観る正月映画としてもこの上なく最適。年末年始も、劇場で『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』の繊細な職人技をたっぷり味わおう。
なおTHE RIVERでは、本作でアニメーション・スーパーバイザーを務めたライカのブラッド・シフ氏への単独インタビューも行っている。ストップモーション・アニメ製作の裏側については、こちらでも細かく語られているので、併せてお楽しみ頂きたい。

メッセージ、質問をお寄せ頂いた皆様、本当にありがとうございました。

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THE RIVER編集部THE RIVER

THE RIVER編集部スタッフが選りすぐりの情報をお届けします。お問い合わせは info@theriver.jp まで。

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